戦後の混乱期の大学進学その3
ある青年の物語(新潟大学の場合)
戦後の混乱期の大学進学で制度に翻弄された人について、今回は、新潟大学との関連で紹介したいと思っています。
作家などの多くの肩書を持つ野坂昭如氏は、早稲田大学第一文学部仏文科中退(除籍とも?)と履歴に書かれている事は多いですが、実は、旧制新潟高等学校の最後の修了生という側面もあります。
旧制中学4年修了後に当時の旧制第三高等学校の入試に失敗して、少年院?入所を経て当時の旧制新潟高等学校の文科乙類に入学したようです。しかし、学制改革で旧制高等学校は修了となり、何故か、新制新潟大学教育学部新発田分校へ入学することになったのです。ここで野坂さんの目指す方向性とかなり違った教育が行われる事に立腹して?か、3日で退学したとのことです。結局、今風に言えば、旧制高等学校修了が最終学歴というこれまた異色の学歴です。
新潟大学退学後の早稲田大学への進学は、学に飢えた当時の学生にとって、刺激の多い?東京は魅力的だったからかも知れません
波乱万丈の人生を送られた野坂氏ではありますが、学歴に関しては戦後の混乱期に翻弄されながらも、旧制高等学校修了というきちんとした一面を持ち合わせていたという、人は見かけによらない事を体現した人だったと思います。
戦後の混乱期は、野坂氏を初めとした、多くの学びを渇望する青年たちが、荒廃した国の行く末を憂い、時代の波に抗って活躍していきました。戦後日本の発展をリードした彼らの足跡を、引き継いでいくことこそ、今を生きる私達に課せられた課題ではないでしょうか?
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