教員免許更新制度の行方 その2
前回は
朝日新聞の続報です。
7月5日の教員免許更新制小委員会では、教員へのヒアリング調査の結果が報告されていて、教員免許の更新制の廃止を求める声が半数以上を占めていた様です。以下が委員会の資料です。
資料1の教育免許の更新制に関する調査にばかり目が行ってしまいますが、資料2の慶應義塾大学の佐久間教授の資料は、更新制の突き付ける現実を端的に物語っています。
非常勤の教員の重要な担い手として、退職後の教員に負っている部分が多いのに、更新制の負担の為に、策を講じないと教員免許を失効させる教員を増加させ、その維持が不可能になるという、現在の教育の現場の実情を示しています。このままの更新制を続けていると、教育現場がいずれ破綻する可能性があるという事です。
委員会での議論の内容については、議事録が公開されていないので、何とも言えませんが、記事から、現場の教員の意見は、廃止を支持するものが多いという、資料による事実は述べられていますが、委員会での廃止に言及する議論は述べられていません。
前回の委員会の議論では、更新制の維持を支持する意見が多いと感じられる状況だったので、調査での様々な否定的な意見をどう取り扱うかで、議論がこじれたのではないでしょうか。
前回から引き続き、維持を前提に議論されたのであれば、10年を単位として、その間の各種研修等を履修したものを積算して更新する制度に改める方法が、前回の議論でも提示されていますので、現場の意見を忖度するなら、そこが結論の落としどころかな?とも思います。
では、現職ではないペーパーティーチャーの取り扱いや、退職後の非常勤教員に対する研修をどうするのかなど、残したら残したで、問題は山積です。
文科大臣もこの議論に、閣議後の記者会見でわざわざ言及している事からも、文科省としても、早く結論を示してほしいとの苛立ちが感じられます。今回の議事録が公開されたら、早速分析してみたいと思っています。
次回は8月頃と推測される、次回の教員免許更新制小委員会で、どう維持するのか、それとも廃止するのか、結論を出してほしいものです。
次回は