短期大学とは
昨日のつぶやきに関連します。
短期大学の成立
短期大学は、2~3年制の高等教育機関です。その成り立ちには、戦後の学制改革が絡んでいます。
戦後、各種の高等教育機関を大学に統一しようとした時に、私立学校を中心に、4年制大学への移行への準備が整っていない学校が多く存在しました。これらの学校を救済する為に、時限措置として設置が認められたのが、短期大学です。将来的には、4年制の大学に昇格する事が予定されていました。
短期大学の恒久化
実際短期大学が制度化されると、女性を中心に、短期大学への進学者が増加しました。また、4年制大学内にも、夜間部として短期大学部が設置されるなど、短期大学が増加する事になります。この状況に合わせて、文部省は短期大学の恒久化を行なう事になります。高等教育機関への進学者の増加に、短期大学は大きな役割を果たしていく事になります。
短期大学の変化
女性や勤労学生を中心に、高等教育の拡大に貢献した短期大学ですが、昭和の後期頃から、4年制大学への進学者が増加し、短期大学への進学者が減少し始めます。
この変化に合わせて、夜間部の短期大学部を中心に、4年制大学の二部への昇格が進み、昼間部の短期大学も、設備の整った学校から、4年制大学への昇格が進みます。平成の第二次ベビーブームを契機に一気に4年制大学への昇格が行われ、短期大学は少数派の学校種となります。
現在の短期大学は
現在では、高等教育機関としては、専門学校に次ぐ進学率に低下し、地方を中心に、一部が残るのみになっています。以前は主力であった家政・看護・幼児教育などの分野が、4年制の大学での教育に移行してしまい、中途半端な存在が、進学者の更なる減少を招き、私立を中心に閉校や募集停止が続いています。
新種である専門職短期大学が制度化されましたが、将来は、この学校種に移行して、純粋な短期大学は消滅するのではないかと思われます。
戦後は一定の役割を果たした短期大学ですが、高等教育の4年制大学の一般化と専門学校の台頭に伴い、その役割を終えようとしています。
今後は、専門学校と短期大学が移行していくであろう専門職短期大学に、その名を残すことになりそうです。今まで果たしてきた役割に敬意を表し、新学校種での発展を期待しています。