あなたは私を愛していない(シューベルト)
いらっしゃいませ。
ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。
さて、"本日のオススメ"は、シューベルト作曲の『あなたは私を愛していない』です。(数字は27-203。名曲解説全集補3巻P203)
フランツ・シューベルト先生。1797年-1828年(31歳)の、オーストリアの作曲家でしたね。
交響曲第2番変ロ長調の回、イタリア風序曲ニ長調の回、弦楽五重奏曲ハ長調の回以来、4回目の登場ですね。
先生お待たせ致しました。やっと歌曲です。
歌曲の王。
本日の曲は『あなたは私を愛していない』。
先生、25歳ころの作品です。
先生、歌曲だけでも凄まじい数を残しています。さらに歌曲集もあり、合唱曲もあり、オペラもあるので、もうとんでもない数になるわけです。
さすが、歌曲の王。
同時に未完・紛失の王でもありますね。
仕方ないです、31歳で亡くなられたんですから。
歌曲全体の中では、後半の作曲の部類に入ります。Dの番号でいうと、756。ちなみに、有名な『魔王』は、328で、最後の番号は990のようです。まだ出てきそうですけどね。
詩は、プラーテン先生(1796年-1835年、ドイツ。ほぼ重なるので、同時代の詩人の詩を使ったことになります)によります。
10行の詩。
第1行と、偶数行の後半に「あなたは私を愛していない」が繰り返されます。
自分の愛を受け入れてくれない相手への切々たる訴えが歌われます。
もう驚くほど切々とした感じです。
特に冒頭は、もうこの世の終わりかと。
面白いのは、同じフレーズ(あなたは私を愛していない)が繰り返されますが、その繰り返しの部分の音楽は、詩は一緒ですが音楽(調など)を変えています。
なるほど。
愛されていたのかな、愛されていると思っているのかな、愛されていないことをわかっていても愛することができることへの喜びなのかな。
先生は、この繰り返す「あなたは私を愛していない」に、何を見出し、何を込めたのでしょうか。
聞き手のその時の状況によって変わるんだろうと思います。
今日は、どのように聞こえますか?
本日の音源は、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ - トピックさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。