自由律俳句？　ー其の八ー

火の元が気になるのはいつもスニーカーの紐を固く結んだ後


真面目なのではなく怒られるのが嫌なだけ

本当は飲みたいけれど水が減ったことに気付いた店員が注ぎに来てしまわぬように我慢しておいて席を立つ時に一気に飲み干す


どういうのが美脚なのかまだよくわかっていないけれどあの人が美脚でないことだけはわかる

学校のプール凍ってるとテンション上がる


枝や葉っぱが入り込んだ状態で凍っていると尚更上がる

エモいという言葉がつかえるようになるのは来世になりそう


トイレ行くのめんどくさくてしょうがないけれど誰もかわりに行ってくれないから仕方なく行く

陳列された商品を見ている時に前を遮ったのが店員だとわかった時の何とも言えない気分


寒いから風呂に入りたくないし寒いから風呂から出たくない冬

剃り残した一本を育ててみることにした


ボーダーの靴下買っても結局履かない

鼻をほじるのをやめて数年鼻腔に小指が入らなくなった


プリンは硬くてなんぼ

鯨の体についたフジツボを剥がす仕事があるなんて


自転車で日本一周中の人を見掛けたことがあるそれも2度

繁華街を歩く後ろ姿ふくらはぎの形で高校のクラスメイトを発見

たまに行く生地屋が「残りが1メートル20センチなんで20センチおまけで付けときます」と言ってくれるのだけれど20センチ得したことよりも店の棚卸しへの不安が上回る

なぜ眠れないんだと思ったらさっきコーヒーゼリーを食べたばかりだ


目覚まし時計を買いに中東へ行きたい