問題分析で個人攻撃はNG!個人攻撃をしない分析を!
なぜなぜ分析では「個人攻撃」をしてはいけません。これは絶対です。
なぜなら、人のせいにしても解決しないからです。人は失敗したくてしているわけではありません。人に失敗をさせる何らかの要因があります。
例えば、家族でも友人でも誰でも良いのですが、身近にいる誰かがあなたにクッキーを作ってくれたとします。あなたはそれを一口食べて違和感を覚えます。
クッキーが塩辛い!
砂糖と塩を間違えたのです。あなたは二度と塩辛いクッキーを食べたくないので、ここで問題分析をします。
事象:甘いはずのクッキーが塩辛かった。
原因:砂糖と塩を間違えた。
なお、前提情報として砂糖と塩は同じ形のガラス瓶に入っており、瓶には「sugar」「salt」と書いてあったものとします。
■ 個人攻撃の例
質問1:なぜ、砂糖と塩を間違えたのか?
回答1:瓶に書かれた文字を読まなかったから
質問2:なぜ、瓶に書かれた文字を読まなかったのか?
回答2:料理に夢中でパッと手に取った方を使ってしまった
質問3:なぜ、料理に夢中で(以下略)
「なぜお前は間違えたんだ?」と繰り返し問い詰めています。これでは、相手も不愉快になるでしょう。二度と料理を作ってはもらえなくなります。
仕事でもこんな問い詰め方をする人がいますよね。「なぜお前は間違えたんだ?」と。これの結論は「お前が悪い」です。何も解決しないうえに、問い詰められた方は不愉快になるという最悪のパターンです。
■ 個人攻撃をしない例
個人攻撃をしない方法は「環境的要因」に目を向けることです。例えばこんな感じです。
A1:パッと見では白い粉が入っている瓶なので、文字を読まなければ砂糖と塩の判断ができないし、英語だからわかりにくい
A2:砂糖と塩の瓶が隣同士で置いてあったから取り違えた
A3:料理の方に夢中になるので、パッと手に取った方を使ってしまう
だいたい、こんな感じになるのではないでしょうか。この場合の対策は以下となります。
A1:瓶に色を付けるか蓋に色を付けて、英語を日本語に変えることで、パッと見で判断できるようにする。
A2:砂糖と塩を別々の離れたところに置く。
A3:手に取った瞬間にわかるように、瓶の形を変える。
相手に上記のような対策を提案したら不愉快な思いはしないでしょうし、問題も解決します。
■ 人は失敗したくて失敗するわけではない
問題解決では「なぜなぜ分析」がよく使われますが、個人攻撃になっているケースをよく見ます。もしうまく分析できないならなぜなぜ分析にこだわる必要はありません。個人攻撃になってしまったら上記のような問い方に変えてみるのも一つの方法です。
人は失敗したくて失敗するわけではないので、失敗をした個人を責めても解決にはなりません。失敗のトリガーになった環境的要因に目を向けるだけで解決する問題はいっぱいあります。