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行き当たりばったり島巡り
おそくなっちゃったけど、この続きを書くぞ〜。
2日目に向かったのは豊島(てしま)。
少し早起きをして、ホテルの目の前の港へ。
3年でそんなに変わるものでもないんだろうけど、フェリーのチケット売り場兼待合室がぜんぜん変わってなくてなんかうれしかった。
フェリーに乗りながら、豊島の周り方を考える。旅行前になんとなく決めておいたのだけど、見直したら納得いかないところがあったので改めてマップや乗り換え案内と格闘する。
ひとまずはじめは、あらかじめチケットをとっておいた豊島美術館へ。豊島の唐櫃港からのバスに乗ったらあっという間に到着した。
予約していた時間よりずっと早かったので、写真を撮りながら美術館の周りの景色をぼんやり眺めて待った。
ここからの景色はわたしがもう一度見たいと思っていたもののひとつだ。
あいにくの曇り空だったけど、綺麗な棚田と、穏やかな海の上ですいーっと進む船を見ていると心が和んだ。
ちなみに美術館の前の坂道がこの島でいちばん急な角度の坂らしい。唐櫃港から自転車で来る人はつらいのははじめだけだと思ってがんばってほしい。(なんのアドバイス?)もうひとつの家浦港からだったらこの坂はのぼらなくてもすむのかも。
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そんなことを考えながら時間を待ち、ようやく入場。
この美術館、わたしはあまり下調べせずにきたのだけど、すごく、すごくよかった。
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敷地に入ってすぐのスペースは気持ちのいい芝生になっていて、そこに座って海を眺めるのも良さそうだった。
わたしは入場前にひたすら海を眺めて少し身体も冷えていたのでそのまま中へ進んだ。
絵などが飾られているのではなく、広い敷地内にある建築自体が作品になっており、その中に入って身体と心で感じるアートだった。
撮影禁止のその内部についてはあまり語らないほうがいいのかもしれない。
一歩踏み入れた瞬間から全身が浄化されていく感覚が心地良かった。
次回はまたちがう季節、時間帯に訪れてみたいと思う。
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建物に辿り着くまでの遊歩道も良かった。
豊かな島、豊島の自然を感じながらのお散歩。
美術館を出た後はてくてく歩いて次のアートへ。
前回豊島に来た時は自転車を借りて島をほぼ一周したんだけど、体力的に大変だったので(情けない)今年は歩きとバスでまわれるぶんだけまわることにしていた。
結果的にはあまりうまくいかなかったので、自転車の方が良かったと思う。
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次に来たのは西本喜美子さんの写真展。
テレビなどでも取り上げられている有名な方だけど、きちんと作品を見るのは初めてだった。
72歳からカメラを始め、90歳を超えた今でも続けているというパワフルさを写真からも感じた。わたしもこんなふうにいつまでも人生をたのしみたいな。
生活感があるお家の中に作品が並べられているのも面白かった。
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島を巡るのに必要な検温済みのリストバンド。
前回は3年前だったからいらなかったけど、今は当たり前になっている。生活が変わったなあ。
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次の作品。隣には神社の鳥居があって、その隣には清らかな水が湧き出る泉がある。
錆びた鉄の彫刻を見上げていると水が流れる音が聞こえてきて、神秘的で、どこかあたたかさも感じる風景だった。
写真は作品というよりコスモスを撮ったものだけど、こんな風に自然に溶け込んでいるのもなんだか不思議な感じだったな。
つづいてお昼を食べるためにバスに乗ろうとしたのだけど、わたしの計算ミスで1時間ほど待ち時間ができてしまった。美術館の入場時間といい、なんだかうまくいかない。
前日の夕食難民のくだりを思い出してなんだかなあと落ち込んでしまったけど、今となってはいい思い出。
バス停でコスモス越しに海を眺めて待った。
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ちなみにこの待ち時間中に前日の反省を生かして夕食のお店を探して電話をかけたものの、一瞬でお断りされてしまいさらに心が折れた。
、、、まあ、、思い出、思い出。
満員でバスをひとつ見送ったあとすぐその次に来た追加の(?)バスに乗ることができて、やっと目的地に到着した。
朝来た時とは別の港、終点の家浦港でバスを降りて少し歩き、やってきたのはカレー屋さん!
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しっかりビールも頼んじゃって。
昭和のアニソンが流れる店内で本格的なスパイスカレーとビールを飲んだ。カレーもごくごく飲んだ。
香川らしいものじゃなくて申し訳ないけど、この旅でいちばん「美味しい!」って感動したのこのチキンカレーかも。都内にあったら通ってた。
すっかり満腹になったところで家浦港からのフェリーに乗り小豆島へと戻った。
ちょうどフェリーに乗った頃、雨が降り出した。ここまでなんとか耐えてくれてラッキーだったな。
小豆島に戻ったら夕陽を見にいくつもりだったけど雨なので急遽予定変更。
またまたフェリーの中で調べることになった。
小豆島に戻り、ホテルの部屋に置きっぱなしにしてしまっていた折りたたみ傘を持ち、またすぐに外に出て今度はバスを待った。
夕陽は諦めて、前回来た時に休業日で行くことができなかったカフェにリベンジすることにした。
バスの中から、しとしとと雨を降らせる雲を見つめた。偏頭痛もちだから雨は苦手だけど、旅先だとなんか特別感があって楽しかった。
バス停に着いてこの旅行に備えて買った折りたたみ傘を差し、早速海辺のカフェへと歩いた。今回は営業日だったけど残念なことにわたしの前の人でぴったり満席になってしまった。
雨じゃなければテイクアウトして海を見ながらコーヒー飲むのもよかったのにと、あっという間の手のひら返しで雲を恨んだ。
席が空くまで少し待つのもありだったけど、潔く諦めた。こういう時は運命に従ったほうがいい気がする。
坂を登って小豆島オリーブ公園に向かった。ここは3年前にしっかり観光したので、今回来るつもりはなかったけど、ありがたく利用させてもらった。
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ホットコーヒーとオリーブソフト。
外の屋根の下に並べてあった椅子で雨で揺れる地面を見つめながら食べた。そんな陰キャな姿とは裏腹に、熱いコーヒーと冷たいソフトクリームを交互に食べていたらすっかり機嫌がなおった。
気分が乗ったので売店でお土産を買ってからこの場所をあとにした。
もう一度バスに乗って、夕食のお店へ向かった。予約に失敗したので今日も居酒屋には行けなかった。
それでもせめて小豆島っぽいものを、と調べてありついたのが小豆島ラーメン。
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またまたビール。やけ酒かな?
ここでもテラス席みたいなところに座らせてもらった。雨だけど。
たぶん雨だから布がかかっていたんだけど、海が目の前の、景色がいいであろうお店。
雨でもなんでもビールはうまい。ほんとは餃子も食べたかったけどお腹の空き具合と相談してやめた。
よく考えたらお昼カレー、夜ラーメン、間にソフトクリームってけっこうヘビーな食事だ。でも旅行中なのでなんだって許される。
ちなみにここに来る前にスーパーに寄ってホテルで飲むお酒とおつまみも調達済み。旅行先のスーパーって楽しいよなあ。
ラーメンを食べ終えてホテルに帰るのだけど、前日に引き続きこの日も歩いて帰ることになった。バスの時間までけっこうあったし、タクシー呼んだり捕まえたりするの面倒で。
結局けっこう長い道のりで、わたしはなんにも学習しない人間だなとか思いつつ、楽しんで歩いた。
部屋についてお風呂に入って、家かよってくらいくつろぎながらアニメを観ながら飲み直した。
2日連続思った通りにはいかなかったけど、それでも楽しめるわたしって最高〜って思えたのは少し酔っ払っていたからか?
何はともあれ2日目も無事に終えました。
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レトロなホテルの室内。柄が渋くていい感じ。
つづき