法学いろいろ
滝川沙希です。
今回は、法学の種類を紹介しつつ、行政書士試験の勉強を俯瞰したいと思います
何の話だ?と思うでしょうが、少しお付き合いください。法学の研究・勉強にもいろいろあるんだということです。なるべくわかりやすいように書きます。
ザーッと読んだ後、まとめをご覧ください。
法哲学
まず、法哲学というものがあります。法哲学という語もいろんな意味があるのですが(多義的だといいます)、法の基礎や根拠には何があるのかとか(正義論)、法の一般理論を考えたりとか、法解釈をどう行うべきかを研究する学問です。
法思想史や法学史もここに含まれると整理しているものもあります(『法律学小事典』(有斐閣))
法理学という言葉で表現されることもあります。
要は、法について、哲学的に考えてみましょうという学問です(スミマセン。雑なのは承知しています)
法社会学
社会学という学問がありますが、その分析方法を法学に利用してみるものです。法がどのような社会的現実から生まれているのか、実態はどうなっているのか、などを調査することもあります。
要は、法についてアンケートなど実態調査をしたうえで、統計処理をして実際のところどうなっているのかを明らかにする学問(スミマセン。単純化しているのは承知しています)。
法と経済学
法規範が人々の行動にどういう影響を与えているのかを経済学の手法で分析する学問です。
法律家は、「ある法律が国会を通しているから正しい」などと考えますが、法と経済学の分析では、経済分析の手法を用いて「この法律は合理的であると説明可能だ」と考えます。
要は、二酸化炭素を排出するやつ税金大目に払ってな!とかいう法律を、正しい正しくないというか言う観点ではなく、経済的に見事に分析してくれる学問です(スミマセン。もっと広い対象があるのは承知しています)。
法史学
昔の法制度、慣行、法思想などを研究します。たとえば御成敗式目って、昔の法制度ですよね。
法制史と言うこともあります。たとえば明治憲法の研究もここに含まれると思います。文学部に所属している先生もいます。
ちなみに私は履修していませんし、勉強もしていないです。。。
法解釈学
現在施行されている法で問題解決するために、いろんな原則を基礎づけたり体系する学問です。通常、大学で「民法」とか「行政法総論」などといった名前で講義されているもののほとんどはこれです。
法律を読んで、文字の意味を解釈しているわけですね。
法解釈というものは利益衡量なのです。誰かと誰かを比べて、一方に他方よりも多くの利益が属すべきという判断をするわけです。
法律の文言について、学者が主張したら学説、最高裁がやったら、判例といわれることになります。
そうした学説、判例の結論を正当化するために、法哲学などの学問の成果を法解釈学という形で取り入れることがあります。
たとえば、明治憲法下でもそう扱われてきたから・・・、というのが憲法の解釈で出てくることがあります。勉強している方は考えてみて下さい。
行政書士試験の勉強は、この法解釈学を学んでいるということなんです。ですから、法学のごくごく一部を、行政書士試験というフィルターにかけて覗いているに過ぎません。
あまり大げさに考える必要はないと理解できますね。
行政書士試験を勉強する皆さんが行うべきなのは、正義について考えることでもなければ、ある法律が真に国民のためになっているかを確認することでもなく、目の前にある過去問集を勉強することなのです。
まとめ
行政書士試験は、ただの試験です。