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インデアンカレー、本屋と靴屋

ひとりで梅田に靴を買いに行く。ついでに本屋も覗く。7年ぶりに新刊の出た猫村さんを買いに、とはいえ、せっかくなので小説でも買おうかと。
与えられた滞在時間はおよそ3時間半。
本屋で2冊買ったあと、効率的に動くために早めに昼飯を&ひとりでしか食べに来れないマイ・フェイバリット・カレーに。
そう、インデアンカレーである。
法善寺横丁のお店がやっぱり一番だけど、三番街のめちゃめちゃ流れ作業的な店の雰囲気も好きだ。11時すぎに来ても並んでいるが、回転が早いので、すぐに番が来る。客も多ければ店員さんも多いのがインデアンカレー。カレー店なんて下手すればワンオペなのに、カウンターを挟んで狭い厨房にすし詰めに店員さん。ご飯をよそい、グラスに水を入れ、生卵を割り、客が座るのを待っている。
インデアンカレーのカレーは独特だ。最初甘くて、すぐに辛くなり、濃厚で、口の中にカレー味が充満していく。さらっといけそうで、意外とずっしり来るので、私はタマゴ(生卵つきの並)でしか食べられない。牛肉しか固形物は入っておらず、ドロっとしたルーがご飯を包み込む。キャベツのピクルスで時々口の中を中和しつつ食べる。
結構色々な店でカレーを食べ、有名店で食べることもあるが、口の中に染みついているというか、青春の味というか、お店のカレーの原点ともいえる。もし、大阪に観光や仕事でひとりで来て、あんまり食事に時間を割きたくない人はぜひ食べてみてほしい。好みは分かれるのかもしれないけど。
今日も店内を見渡すと若いカップルから中年の男女、手押し車のおばあちゃんまで幅広い客層。そしてすべからく皆、さっと食ってさっと出ていく。ザ・大阪の風景。ちなみに、水を飲みだすといくらでも飲めてしまうが、あまり飲まないことをオススメする。口の中にインデアンを残して店を出て、小一時間その後味を楽しむまでがセットである。
後味カレーを楽しみつつ、靴屋へ。
カレーを食べる前に寄った本屋では、猫村さんの新刊を探しつつ、平置きの新書やら文庫やらを眺め、ぱらぱら見て、結局3冊ほど選んでから、最近本を読めないので1冊に絞りこんだ。本屋はいくらでもいれる、楽しめる。東京に入場料ありの本屋があるそうだが、気持ちは分かる。長居していいなら、払ってもいい(ほんまに)。
だが、靴屋は楽しめない。
服屋も好きじゃないが、靴屋はもっと苦手だ。まず、たかだか靴なのに、種類が多い。多い割に好みの靴はあまりない。あんなにあるのに、よさそうな靴の確率が低すぎる。
結構吟味してイメージに近いのを探すが、ぴったしなものはせいぜい1つか2つで、まあこれでいいかなと思っても、その靴をそのまま試着できるわけじゃない。店員さんに声をかけて、自分のサイズのものを出してもらわないといけない。
服屋なら(ユニクロなら)ある程度、サイズのものは棚に揃っているので、自分で見つけて試着すれば、店員さんとほぼ喋らずに買える。
服以外ならネットで買ってもほとんど支障ないが、靴はさすがに履いてみないと、形も違うのでサイズだけではフィットするかどうか分からない。
で、サイズのものを出してもらおうとするのだが、まあまあの確率で、ない。今日の2軒目の靴屋は、しばらく待っていたら、箱を大量に抱えて店員さんがやってきて、お客様のサイズがなかったので、とりあえずそのサイズで在庫があるものを全部持ってきましたと微笑んだ。
いやいや、そうはならんやろ、26.5やぞ、サイズから絞るほど、大きくも小さくもないやろ、と苦言を呈したくなったが、もう大人なので、体よくお断りして店を後にした。結局いいなと思った靴が、いま履いてる靴と同じシリーズの色柄違いだったので、ネットで注文した。
靴屋の後、カフェで本を読み、少し考え事をして、タイムアップ。
本屋、カレー屋、靴屋、そしてカフェ。それぞれ店にいた時間と充実度と、まあ、それぞれだったが、3時間半のひとり梅田を満喫した。


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