牛丼(ランダムワード小説)
夜の駅前広場で、僕らは待ち合わせをしていた。
目の前をたくさんの人たちが通り過ぎていく。電車が着くたびに駅の改札からあふれ出るように人がわき出てきて、ほとんどはバスターミナルに向かい、やがてバスに乗り込んでいった。
朝にはその逆が起きるので、さながら吸って吐いてを繰り返しているよう。
僕はそれをぼんやりと眺めながら、彼らの到着を待っていた。となりのベンチには同じように誰かのことを待っている女がいたが、さっきからひどく咳き込んでいて、どうにかしようという気にはならなかった。
今