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作品の側面に呪いをかけた話


キャンバスの側面

について

わたしはキャンバスのタックス(釘)が、
側面にある状態で作品を展示するのが面白くって格好良いなって感じる。

太鼓みたいな感じのやつ。

この、 点 点 点 が良いリズムで、
"キャンバス"というものが、
木枠の上に麻布をタックスで打ち付けているのだと感じさせてくれる。

木枠・麻布・タックス という素材の違いと、
ピタッとしているわけではなく、
麻布のひらひらした影を良いなぁと思う。



一方で、インテリアとして考えたときに、
白壁からの繋がりとして側面にタックスの無いピシっと処理したものが良いという考えがあるのも分かる。


額に入れて作品の保護をしたい、
(環境団体に何か投げつけられても大丈夫🙆)
展示する部屋のインテリアの雰囲気に合わせたい、とか。

そういうときの為に
ガンタッカーで包み張りをして側面がまっさらな状態にする、
キャンバステープで隠す、
側面まで絵の具を塗るなど方法がある。

▲これは依頼があって包み張りをした作品。

▲包み張りの裏はこんな感じ

なにを重要視するかって、
その作品を持つ人(買った人、制作した人)によって違うとおもいます。

わたしはじぶんの作品やほかのアーティストさんの平面作品は
▼のような"正面の平面だけ"のことだけを言うんじゃなく、


"平面"と言われているんですが、
こういう側面含めて作品を捉えています。




包み張りの依頼があってほぼ初めて包み張りをしてみて、
正直、いままでの作品と違う感覚がありました。

わたしの感覚で言うと、
じぶんの作品にはまっさらな側面ってピシッとしすぎて合わなくて、
タックスの点々がある無骨さがよかったなぁと。

包み張りの方が良い、締まる、保存に適している、
額に入れたときに良い、他の有名なアーティストもこうしてる、マーケットでもこれが普通

そういう意見も分かるんです。
理解は出来るんです。
だから依頼は受けるんです。


ただ、じぶんの作品の裏にガンタッカーで布が張られているのか…と思うと…なんか残念に思っちゃったんです。


でも、せっかくの自分の作品をそ〜んな残念なままにしたくなくて。
依頼だし、この作品をもつ人がそうしたいなら…と思い、打開策でこちらに呪いをかけました。

▲これは包み張りをしたとき・キャンバステープで側面のタックスを隠したとき 用のサインです

この、 Yumi のうしろについている、 「…」
これは、
タックスです。

これが呪いです。

この呪いのサインによって、
わたしは包み張り作品に納得がいって、
格好良いものに昇華出来ました⭕️

描いているものに納得いってないわけじゃなく、
このキャンバスの在り方に疑問があったので。


決して、
包み張りをしているアーティストさんを否定しているのではなく、
"わたしの作品には"
"わたしは"

タックスがあった方が "より"良いな、と感じるってだけの話なんです。

包み張りしてる方が格好良い作品を作る方もいるし、
サインを画面の中に入れてる方が締まる方もいると思います。

だから今後、
こういった依頼があったときは有無を言わさず、
僭越ながら呪いをかけさせていただきます。


この無骨さ、面白さ、素材の違い、
これを楽しめて面白がれる感覚がある人がもっと増えたら嬉しいなぁ、と思って。


わたしの思うところをnoteにまとめておこうと思いました。

理解できる部分と、じぶんのだいじにしたいところ。

どうしたって
じぶんの作品はじぶんにしか責任はとれない。
納得のいくものつくりたい。
格好良いと思う感覚でしか、作品はつくれない。

作品に対して、真摯で頑固でありたい!!!!!


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