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16・人生の終盤で、逆転満塁ホームラン

中学・高校時代のお弁当は(といっても今から50年以上前の話だが)、
毎日 母が作ってくれた。メニューは、
「塩鮭と甘い卵焼き」
「さつま揚げの甘辛煮と目玉焼き」
「おいなりさんとゆで卵」
の繰り返しだったと思う。要は、甘い物としょっぱいものの組合せで タンパク質のみ、1品は必ず卵だった。私は大好きで、毎日おいしく食べてたが。

私も中高生の母になってお弁当を作ってたが、母が来た時 それを見て「野菜が足りないんじゃない?」と言うのだ。
何言ってんだ。私はお弁当に野菜が入ってた記憶なんてありませんけど

私の遠足のときは、ウインナやゆでたほうれんそうで細い海苔巻きを作ってくれて、それがとってもきれいで(ウインナのピンクとほうれんそうの緑色で)しゃれていて うれしかったのを覚えている。母も働いていて忙しかったのに、よくこんなの作ってくれたよなあ。
あと、甘い卵焼きをはさんだサンドイッチなんてのもあった。これがおいしかった。私はゆで卵にマヨネーズの卵サンドしか作ってないけど。

母はずっと忙しく働いていて、私は、ちっともかまってもらってないという不満があったけど、お弁当1つでも母との思い出がいっぱいあったのだ。

そして、この歳になって母との同居がかない、母にめんどうをみてもらってる。おいしいものは作ってくれるし、家事は手伝ってくれるし、帽子は編んでくれるし、頼めば縫物も何でもやってくれる(バックや座布団カバー、つくろい物etc)。コロナの今は話し相手にもなってくれてる。
人生の終盤に、母とのこんな時間がもらえるなんて思ってもいなかった。
今までのかまってもらってないという不満が一挙に解消できたのだ。
ありがたい。
母は母で「人生の最後がこんなにしあわせだなんて!」と言ってる。



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