【至福の温泉】海と湯煙に彩られた別府・鉄輪(かんなわ)温泉に一生ついていく(かも)
2023年2月末~3月前半は、九州の南半分と四国を15日間かけて旅しました。昨年ANAが発売した日本どこでも7000円チケットを使って、一昨年訪れた鉄輪を再訪+久々に九州と四国各地を再訪することが目的です。
私はnoteでは歴史記事、Amebaブログhttps://ameblo.jp/kozakura11/では旅行や雑記と使い分けています。しかし先月再訪した別府の鉄輪温泉がやはり素晴らしく、また貸間の体験記もお伝えしたいので、旅行記の一部をnoteでもご紹介することにしました。*全体の旅行記はアメブロをご覧ください。
旅行記「九州&四国大周遊」新連載の予告 | 海王星の魚座だより (ameblo.jp)
私が思う鉄輪温泉の魅力
ひとくちに「別府温泉」といっても、エリアによって雰囲気が異なります。
別府駅前は、昭和時代の盛り場という感じ。雑然として、ちょっと暗さがあって。
一方鉄輪は、素朴で明るい坂の町。高い建物は少なく、中小の宿や店が集まっています。
別府は西に鶴見岳や大平山(通称・扇山)などの山並みがあり、その山肌沿いに上がると鉄輪や観海寺、さらに上には明礬(みょうばん)温泉があります。駅より標高の高い鉄輪は、東(海の方)へ下る斜面に沿って温泉街が広がっています。なので東方向に開けた場所なら、別府湾と高崎山が望めるのです。*表紙写真は早朝の様子。
そして「源泉地帯に浮かんだ町」ともいえるほど湯量豊かなので、道ばたからも湯気が立ち上り、時に町中が真っ白になります(硫黄臭くはない)。それがまた鉄輪らしい風景なのです。
鉄輪の貸間(かしま)に初めて宿泊
別府駅前にはお手頃なビジネスホテルが多いですが、旅館ばかりの鉄輪で安く泊まるなら、何といっても貸間です。素泊まりで1泊4000円前後。ただ、今回私が貸間を利用したのは、安さだけではありません。
前回鉄輪に初めて行った時、ふと知り合った地元の方に「良い宿知りませんか」とたずねたら、「経営者が良い人」と教えてもらったのが、その貸間旅館でした。貸間とは、名前通り「部屋を貸す」だけの自炊宿のことです。いくら安くてもトイレ共用は避けたいので、貸間は全く考えていませんでした。が、地元民が勧めるなら間違いないだろうし、これから鉄輪に通うならいずれは通る道(?!)と、今回はそこに決めたわけです。
これが貸間だ
宿の建物は相当古い木造で、階段は急、トイレの半分は和式。
客室は和室のみ。入口はふすまで、カギは中からかける輪っか式だけ。wifiは無いと思った方がいいでしょう。
テレビはコイン式。タオルや浴衣、歯ブラシ等のアメニティは一切ありません。
浴室は貸切制。やはりカギはなく、入浴中は入口に札をかけます。トイレ洗面は共用、台所は自炊用に道具・家電・調味料一式揃っています。
おそらく、鉄輪の貸間は、だいたいこんな感じかと思います。
客層は高齢者が中心なので、(耳が遠いから)話し声もテレビの音も大きい。夜中には頻繁にトイレに行き来し、朝は暗いうちから歩き回ります。壁も床も薄いのか、隣室や階下の音はほぼ筒抜け。
普通に考えたら、うるさすぎて地獄のようです。
実際4泊のうち、私がまともに眠れたのは1日だけでした(私は旅行には耳栓持って行くのですが)。それでも、ここが嫌にならなかった。それはたぶん、古い木造独特のぬくもり感と相まって、宿の中がゆるくて穏やかな空気に包まれていたからだと思います。
欠点だらけ(?)でも貸間の魅力は大きい
貸間のスタッフさんたちはいつも笑顔。館内はどこも掃除が行き届いてピカピカ。また、カギのない宿内の治安?は、客の良心で成り立っているといえます=それらが何ともいえず、温かく心地良い雰囲気を漂わせているのです。音さえ気にしないなら、こんなゆるい心地にさせる宿は、そう無いかもしれません。
最新設備を取るか、独特のゆるさ+温かさを取るか? 世の中には「どれほどうるさくても眠れる人」がいます。だから私は、「眠りの浅い自分が悪いのだ」と思うことにしました。そして、そういう気持ちになれないと、貸間利用は難しいかもしれません。
逆にそれができそうだから、私はやっぱりまた貸間を利用すると思います。鉄輪のあの雰囲気に一番似合う宿は、もはや貸間しか思い浮かびません。
◎この宿に「ブログに書いてよいか」確認したら、「常連さんを大切に細々とやっているので、ちょっと・・・」という答えでした=HPも宣伝もないのは、それが理由のようです。そのため、宿名ほか手がかりになりそうな記述を伏せました。
やっぱりすごい!鉄輪温泉の効能
さて、鉄輪最大の魅力は、やっぱり温泉。
私は過去に足を3回大ケガしているので、足腰に長く無理がかかると、痛みやしびれが出ることがあります。鉄輪にたどりついた日も、少し痛み始めていたのですが、何と!入浴1日目で痛みが消えてしまったんです。あなた様は魔法の水か?! 今まで相当いろいろな温泉に行きましたが、ここまで効能を実感できた温泉は滅多にない。「一生鉄輪についていく」とさえ思いました。
なお鉄輪では、ぜひ「むし湯」を体験してください。
鎌倉時代に始まったといわれる、石菖(せきしょう)という植物の葉(清流沿いでないと育たないそう)を敷き詰めた床の上に寝て入るサウナです。暗い穴の中で植物の香りに包まれて横たわっていると気分が落ち着き、体の深部からも温まります。
仕事でもプライベートでも、各地の温泉へ行きました。でも(今のところ)こんなに頭から離れなくなってしまった温泉は、鉄輪以外にありません。可能なら、次回こそさらに長期滞在を目指したいと考えています。