見出し画像

【詩のようなもの】愛のかたち

あなたが忙しいと知っているから
いまがんばっていると知っているから
忠犬ハチ公みたいな顔して
あなたの帰りを待ってます

だけどいったい
ひとのためなど
どれほどまでになれるのでしょうか

あなたの「大好き」と「愛しい」とが
私のいのちの成分なのに

むかしむかし、中国で
喜捨の修行をするひとがいて

もってるものをみんなあげて
なんにもなくなってしまったときに
みすぼらしい男が現れた

「あげるものが、なにもなくなってしまいました」
そう修行僧は言ったけど
「お前の目がまだあるだろう。綺麗なその目がほしいのだ」
男はそう、言ったのです

目を抉り取って差し出すと
血にまみれたその目を見て
「汚らわしい! こんな汚いものいるものか!」
と男は目を捨ててしまった

それに怒った修行僧
いちから修行をやりなおし

めざすべきは
「私がうれしく」「あなたがうれしい」

自利利他でなければ
いつかきっと壊れるから

だからお仕事がひと段落したら
あまいお菓子を
ハチ公にください


お読みいただき、ありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!