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【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第90回】

🔷 「今後、私がするべきこと」の「償う」(1)を掲載します。🔷

 『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)
2016年1月25日 発行 
著者   藤巻 隆
発行所  ブイツーソリューション

 ✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第90回)✍

今後、私がするべきこと

償う(1)

 由美子を死なせてしまったのは、私の責任であり私の罪です。私の余生を懸けて罪を償っていきたいと心に誓いました。墓前で毎回由美子に謝っています。

 四十九日法要が営まれた日(平成二十七年九月二十七日)から毎日欠かさず、由美子の墓参りをしています。雨の日(十一月十八日)も、もちろん墓参りしました。最寄りのバス停「舞岡」から「戸塚駅東口行き」のバスに乗り、「元町」というバス停で下車し、徒歩数分で妙秀寺へ行くことができます。

 また、供花を絶やさないように心がけています。毎日通っていて気づいたことがあります。菊はとても丈夫な花だ、ということです。驚いたことに、十月九日に買った仏花(ゆりや菊、カーネーション)は二十二日までの二週間ももったのです。ただし、ゆりは二十日にしおれてしまいました。

 墓前では毎回、大瀧詠一さんの作詞・作曲の『夢で逢えたら』を、大きな声を出して歌っています。「口ずさんでいる歌」で詳しく説明していますが、私にとってはナンバー1ソングです。繰り返し歌った結果、歌詞を覚えました。


 


 そして、毎回、由美子に謝っています。由美子に許してもらえるとは全く考えていません。許してもらえなくても、ただただ謝っています。由美子を護ることができなかったからです。それを罪だと感じています。

 よく、「亡くなった人の分まで長生きしてください」と言われることがありますが、私は長生きしたいとは思っていません。長生きすると生活費がかかり、また周囲に迷惑をかけることにもなります。問題は、周囲に迷惑をかけていることを、本人が自覚しなくなる点です。

 ある人から聞いた話ですが、「長生きするのは、神様が『修行が足りないので、現世でもっと修行してきなさい』と言って、あの世に受け入れてくれないからだ」という内容でした。その話を聞いた時、唸ってしまいました。「う~ん。確かに一理あるな!」と。

 もちろん、この話を聞いたから長生きしたくない、と考えたわけではありません。由美子に早く逢いたいからです。逢って話がしたいからです。逢って強く抱きしめたいからです。逢って永遠の旅がしたいからです。

 ただし、できれば、可奈が家庭を持った後に死ねたらいいな、とは思っています。私の余命は神様しか知りません。自分の希望通りになるか否かは、もちろん分かりませんし、知りたいとも思いません。

(PP.236-238)



➳ 編集後記

第90回は「今後、私がするべきこと」の「償う」(1)を書きました。

さすがに今では毎日墓参りはしていません。それでも月に4回(妻と両親、姉の月命日)妙秀寺に出かけています。四十九日法要の日から365日以上1日も欠かさず通いました。

娘は去年暮れに入籍し、家を出ました。これでもういつ死んでもいいな、と一瞬考えましたが、愛猫ノアを残して私が先立つことはできないな、と考え直しました。

ノアは今年5月で4歳になります。人間に換算すると28歳くらいの青年です。11年後には15歳で人間だと72歳くらいになります。11年後に私は78歳になりますので、ほぼ同年輩(!)になります。ノアを看取ってあげたいと思います。





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藤巻 隆
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