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【大人の流儀 伊集院 静 心に響く言葉】 Vol.62

大人の流儀

 伊集院 静さんの『大人の流儀』から心に響く言葉をご紹介します。私は現在『大人の流儀』1~10巻を持っています。このうちの第1巻から心に響く言葉を毎回3件ずつご紹介していこうと考えています。全巻を同様に扱います。

 時には、厳しい言葉で私たちを叱咤激励することがあります。反発する気持ちをぐっと堪え、なぜ伊集院さんはこのように言ったのだろうか、と考えてみてください。しばらく考えたあとで、腑に落ちることが多いと感じるはずです。

 帯には「あなたのこころの奥にある勇気と覚悟に出会える。『本物の大人』になりたいあなたへ、」(『続・大人の流儀』)と書かれています。

 ご存知のように、伊集院さんは小説家ですが、『大人の流儀』のような辛口エッセーも書いています。



「星~被災地から見たこの国」から

伊集院 静の言葉 1 (184)

 余震が襲う。家屋が異様な音を立てる。近所の人々の内、五百名余りが小、中学校の校舎に避難したとわかる。家の崩壊をおそれてのことと寒さをしのぐためだと聞く。
-----家を捨てて避難すべきなのか?
懐中電燈を手に家の中をもう一度点検に行く。壁の亀裂、天井の破損、柱の垂直度を調べる。補強した東半分がしっかりと建っているとわかる。家に居ることにする。    

大人の流儀 2 伊集院 静                               



「星~被災地から見たこの国」から

伊集院 静の言葉 2 (185)

 夜十一時、ラジオの情報で被災が三陸沖から千葉までの広範囲、津波の被害が甚大だとわかる。何が今肝心なことかを考える。第一は余震の折の避難の確認(庭に出る)、次に余震の被害で避難かどうかの判断、寒さをしのぐための対策。飲料水の確保。食料の備蓄の判断(すでに冷蔵庫もストップしていた)。   

大人の流儀 2 伊集院 静                               


「星~被災地から見たこの国」から

伊集院 静の言葉 3 (186)

 家人に先に食事をして休めと言うも、なかなかつけない様子。「ここが一番安全だ。あとはなるようにしかならない。大丈夫だ。心配するな」。家人がカップ麺をこしらえてくる。そう言えば何も食べていなかった。食した後、庭に出る。空を見上げると、驚くほど星があざやかである。
-----何だ? この異様なあざやかさは------。 

大人の流儀 2 伊集院 静                               


⭐ 出典元

『大人の流儀 2』(書籍の表紙は「続・大人の流儀」)
2011年12月12日第1刷発行
講談社



✒ 編集後記

『大人の流儀』は手元に1~10巻あります。今後も出版されることでしょう。出版されればまた入手します。

伊集院静氏は2020年1月にくも膜下出血で入院され大変心配されましたが、リハビリがうまくいき、その後退院し、執筆を再開しています。

伊集院氏は作家にして随筆家でもあるので、我々一般人とは異なり、物事を少し遠くから眺め、「物事の本質はここにあり」と見抜き、それに相応しい言葉を紡いでいます

🔷 「飲料水の確保。食料の備蓄の判断」

最低限、飲料水と食料の確保は不可欠です。

私は、2リットルのミネラルウォーターのペットボトルを9本と、2リットルの水道水が入る冷水筒3本に水道水と、備長竹炭を入れて備蓄しています。つまり、24リットルを確保しています。

食料に関しては、魚や果物などの缶詰、天然酵母の山型食パン(業務スーパー)、魚肉ソーセージ、アーモンドやカシューナッツのナッツ類を確保しています。
これらは常温で多湿でなければ保存できるからです。









🔶 東日本大震災から11年:被災地と復興の現状


⭐ 出典元: 公営財団法人ニッポンドットコム 東日本大震災から11年:被災地と復興の現状 2022.03.09



🔶 伊集院静氏の言葉は、軽妙にして本質を見抜いたものです。随筆家としても小説家としても一流であることを示していると私は考えています。


<著者略歴 『大人の流儀』から>

1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。

91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』などを手がけている。



⭐ 原典のご紹介






⭐ 自費出版本



⭐ 私のマガジン (2022.09.08現在)





















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藤巻 隆
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