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■第1回 「働き方改革」には会社も社員も乗った方がいい  ~武田斉紀の『組織や仕事のあるある問題、こうして解決』シリーズ~

1 「働き方改革」推進と言われても素直に喜べない?

 こんにちは。また新しいシリーズコラムでお会いすることができました。お付き合いいただければ幸いです。

 さて今回のシリーズは、「武田斉紀の『組織や仕事のあるある問題、こうして解決』」です。組織や仕事におけるさまざまな“あるある”問題を、私の体験や長年のコンサルティング経験などから斬ってみようというものです。

 タイトルを「こうして解決」とした以上、具体的な解決案をご提案できるように頑張ってまいりますが、問題によってはすっきりとした解決策とまではいかないケースがあるかもしれません。その際は何卒ご容赦ください。

第1回のテーマは「働き方改革」です。

 「働き方改革」という言葉を聞くだけでちょっとしたアレルギーを感じる方もいらっしゃるでしょう。ほんの少し前までは、残業しないで帰ろうものなら上司や周囲から「仕事ができないやつ」とのレッテルを貼られ、仕事がなくてもしているふりまでしていたはずなのに。今や毎日「早く帰れ」「命令だ」と消灯され、暗がりの中、パソコン画面の明かりだけで残務整理。ついにはパソコンの電源まで切られ、それでいて「仕事は今まで通りちゃんとやれ」と当然のように要求される。「ふざけんなよ」と机の1つも蹴りたくなります。

 現場からすれば、政府の掲げた「働き方改革」の御旗の下に会社が手のひらを返したように残業削減を言い出し、上司は上から言われるがまま部下に要求している。これが果たして「働き方改革」なのだろうかというのが、現場の本音ではないでしょうか。

 冷静に考えたとしても、会社はいったい何がしたいのか疑いたくなります。残業時間を減らして残業代を浮かせたいのか。急に仕事時間をばっさり減らされて従来と同じ仕事ができるはずもなく、それでもいいと思っているのか。もしかしたら単に従業員の健康を心配してくれているのか。あなた自身はどう解釈されているでしょう。

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