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Crimes of the Future(2022)

デヴィッド・クローネンバーグ監督の2022年作品「Crimes of the Future」を北米版Blu-rayで見ました。ヒアリングだけでは到底理解出来ず英語字幕を停めては日本語に訳しながら見たのですが、普段見かけない単語が多くて… で、日本語に訳したところで、まだ言ってることが良く理解出来ないという!σ(^_^;)

79歳になったデヴィッド・クローネンバーグ監督ですが、よくある歳をとると作品がへたってくるパターンに陥らず、「ヴィデオドローム」「裸のランチ」「イグジステンズ」あたりの雰囲気と変わらず、奇妙奇天烈で鮮烈で気持ち悪いんだけどアーティスティックに見える映画を今も元気に撮ってるんだなぁ!!と、嬉しくなりました。

人類が人工的な環境の変化に適応していくと、身体の中にも新たなる変容や変異が起こるという、監督が昔から追求してきた"人間の進化と変容"がテーマになっていて、いやもう、本当に変わってない。

ヴィゴ・モーテンセン演じる主人公は、レア・セドゥ演じるパートナーとともに、自身の体内に生まれた新しい臓器を、奇怪な解剖マシンのようなもので摘出する様子を"前衛的なパフォーマンス"として観客に見せる前衛アーティスト!( ゚д゚)

国立臓器登録所だとか、人間の進化の次のフェーズを世にアピールしようとする謎のグループとか、そのグループを調査しようとする覆面捜査官とか、いろんな人が登場し、いろんなことが起こりますが、まぁ…よくわかりません。

人間が生み出したプラスチックなど合成化合物を、最後は人間が食料として食べられるように消化器官を進化させるみたいな(←僕の理解が正しければ)話も出てきて、なかなか深いテーマを描いているようでもあったり!?

主人公が進化しすぎて常に身体の中で新たな臓器みたいなのが生まれ、日々痛みや苦しみに耐えながら生活しているのをサポートするさまざまなバイオメカニカルデバイスが、これまたクローネンバーグらしさ全開のデザインでステキでした。

正直、物語としてはわかりにくい映画ですが、監督の独特の美学と哲学がしっかり組み込まれた作品として仕上がっているので、個人的には全然アリです。早くまた次の作品を撮って欲しい!

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