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私がやりました(2023)

フランソワ・オゾン監督の「私がやりました」を観たのですが、これがまた、めちゃくちゃ良く出来たコメディ映画でした。オゾン監督史上、最も妙な癖がなくて、最高に笑える作品。映画を観ていてこんなに楽しく小気味良い時間を過ごせる幸せを堪能しました!

1930年代のパリ。小さなアパートに住む"若手三流女優"のマドレーヌと"新人弁護士"ポーリーヌは、ろくな仕事もなく家賃も滞納して絶望的な日々を送っていた。ある日、マドレーヌが有名映画プロデューサーの豪邸に招かれ、女優としての仕事がもらえるのかと期待したら、愛人になれと迫られる。

なんとかその場から逃げ出したマドレーヌだったが、その後すぐに銃殺されたプロデューサーの死体が発見され、安直な警察とちょっと抜けている判事はマドレーヌを犯人だと決めつける。殺人犯として法廷に立たされるマドレーヌ。無罪を信じない周囲に対してポーリーヌが考えたのは…

【以下、公式サイトに書いてある範囲ですが、やや物語のネタバレ気味です】
ポーリーヌが考えたのは、「襲われて、自分の身を守るために撃った」と正当防衛を主張することだった。ポーリーヌの筋書きを法廷で見事に演じたマドレーヌは、なんと無罪を獲得。それどころか、悲劇のヒロインとして、アッという間にスターの座へと駆け上がるのだった。

超貧乏暮らしから一転して豪邸で優雅な生活を始めた2人だったが、そんなある日、かつては一世を風靡した"往年の大女優"オデットがやってくる。彼女はプロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、全ては自分のものだと言い張るのだ。

このオデットを演じるのがイザベル・ユペール! 派手な化粧に振り切った怪演。他人の話を遮って立板に水の自己主張をし、大金を払わないとマスコミに真実をバラすぞと脅迫する。マドレーヌとポーリーヌはどう立ち向かうのか!?
【ここまででネタバレ終わり】

このあと、物語は二転三転しながら予想だにしないややこしい事態を迎えるのだが、その全てを面白く見せつつ、見事な手際でまとめていく脚本が素晴らしすぎ!!! 往年のビリー・ワイルダー監督作品を観ているような完璧さに舌を巻きました。上手い! 上手すぎる!

こんなに楽しく完璧なコメディ作品を今どき観れるなんて思いませんでした。ぜひ、たくさんの方に観てほしい一作です。

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