プロミシング・ヤング・ウーマン(2020)
エメラルド・フェネル脚本・監督「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観た。凄かった。アカデミー賞脚本賞、完全に納得!
酔った女性を連れ帰って襲う男どもに制裁を加える…と聞いて、結構ホラー寄りなのかな?と覚悟していたんだけど、そうでもなく。制裁は加えるが、暴力的な行いをするわけではない。
医学部で成績優秀、将来を約束されていた女性が突然学校を中退し、近所のカフェでやる気なさげに仕事をしている。そんな彼女は夜になると酒場に通い…
彼女はなぜ医学部を中退したのか、彼女の本当の目的は?
酷い社会問題に深く鋭く切り込みながら、それを映画としてはノリの良いポップで洒落たパッケージに仕上げ、さらに先読みできないジェットコースター的な展開から想像しえないラストに持っていく見事な脚本には舌を巻きました。
主演のキャリー・マリガン、コスプレ的な衣装までやっちゃう"華麗なる七変化"に、場の空気感を一瞬でガラリと変えてしまう表情。主演女優賞当確!の大活躍です。
世の中で今まで半ば意図的に見過ごされてきた(黙らされてきた) "前途ある若い女性”に対する身勝手で一方的な性暴力に対する怒りを強烈に描きながら、それをエンターテイメント作品として提示してみせた監督・脚本・製作のエメラルド・フェネルは凄すぎます。
観る人によっては胸を抉られる作品になりそうですが、必見の一作と言えるでしょう。2021年の個人的ベストワン!!!
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