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ドラマに背中を押された話。よし、私も仕事を断ろう

「せっかくゼロになったんやから、やりたくないことはやらん!」

録画して放置してたドラマ「SUPER RICH」第3話。終盤、江口のりこ演じる出版社社長・マモルのセリフだ。なんかスカッとした。で、私も決めた。迷ってた仕事やめる。

シーン解説

再起をかけた崖っぷちの出版社。そこへ救世主ともいえる投資家がやってくる。がしかし、「5,000万円を融資する代わりに、ドヘタクソな娘のマンガを売り出せ」という条件つきだった。

こんなレベルの低いものを載せたら出版社の格にも関わる。編集者の矜持やいかに。

交渉の日。みんなが見守る中、父娘と対峙するマモル社長。

マモル社長「あなたのマンガはつまらない。うちの編集者と一緒に、マンガが面白くなるまでトコトン付き合う覚悟はありますか?」
すぐ断るのではなく、ちゃんと提案もする常識人の社長。

マンガ志望の娘「ハァ? なんか勘違いしてます?(怒) 家でできる仕事がやりたくて、なんとなく”マンガ家”ってパパに言っただけ。ツマラナイって言われても全然ヘーキです」
マコトの真摯な言葉を無下にして、世間知らずの憎たらしい娘。

投資家のパパ「庶民がおもしろいと思うものなんて、お金の力で何とでもなる」
娘可愛さに金にモノを言わせようとするパパ。

そこで社長のマコトは立ち上がり、ワガママ娘のマンガをビリビリに破ってポイ。紙吹雪のように舞い落ちるマンガの残骸たち。

マモル社長「真剣にやってれば『ツマラナイ』って言われたら悔しいはず。あなたにはそのプライドもないんやね。いくらお金があっても人の心は買えないです」

で、タイトルのセリフだ。

うーん、いいね! っていうかお金の力とはいえ、ヘタクソなマンガの編集に付き合ってくれるだなんて、感謝するところですよ、ねえ。

仕事の矜持と妥協のはざまで

私の場合、ドラマと立場は逆だ。私はライターで相手は編集者。私としては仕事に真摯に向き合っているつもりで、先方もそれは認めてくれていると思う。仕事単体としては悪いわけじゃない。でも、仕事のやり方で疑問を感じることもあり「仕事の矜持とは……」とずっとモヤモヤしているところがあった。

そこの内部事情も良く知っているため、致し方ない面があるのは分かっている。悪い人たちじゃないし、気持ちも分からなくはないし、断るのも申し訳ない……みたいなユラユラした気持ちでこれまでやってきた。

で、引き受けてみたはいいが、実際やったら案の定イライラ。依頼する側に悪気はないし、引き受けた以上こっちも納得の上と認識しているだろう。嫌なら私が断ればいいだけの話だった。

その時はその時。腹くくって笑い飛ばせ

でもそういえば、そういうのが嫌でずっと続けていた大きな仕事を断ったことがあった。すっかり忘れていたが、ギリギリまで迷った挙句、けっこうな決断だった。それを未だに小さい理由を見つけては、つなぎとめようとしている自分を恥じた。

これまでの様子を見る限り、私が仕事を断れば、担当は引き留めることはないだろう。それが分かっているからこそ、悔しかったり寂しかったりして、なんだかんだズルズル引きずっていた。

ほんまや、もうええやん、やらんで。私も一度はゼロを覚悟したのだ。もしそれで縁が切れたら、笑い飛ばしてやれ。江口のりこも賛成してくれると思う。

嫌なことはすべきじゃない。濁った気持ちでやりたくない。慣れ親しんだものを手放すのは怖いが、これを決断した先にまた何かあるに違いない。できるところまでやってやろう。

関西弁社長いいね!

このシーンの江口のりこの顔はすがすがしく、神々しくさえ見えた。関東の正統派イケメンに囲まれる美女でもない(失礼)関西女社長の恋愛ドラマってどうなのよと思っていたけれど、コテコテ関西弁の女社長、言葉だけじゃなくてノリも予想外に関西色が強くて好き。

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<このシーンじゃないけど江口のりこ>

江口のりこもかわいく見えてきた。ドラマや映画を見ていると、人の印象って本当に変わるなあとつくづく思う。ただ、これまでの役がかわいくなかっただけ、とも言える。正直、かわいい路線で売り出していても「??」という人もいるし、体を張ってるお笑い芸人の中にだって美女はいる。イメージの力、恐るべし。

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