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女性リーダーが少ないのはなぜ?"ときめき"を意思決定に反映させるには

私自身、「女性社長」と言われることが多いですが、「女性らしさ」という言葉はあまり得意ではありません。
「女性らしさ」を決めつけられ、あてはめられることに抵抗感がある、というお話も前に書きました。
でも最近、「”女性の”リーダーを育てたい」という思いがあるんです。

意思決定は100%論理で行うべきなのか?

メンバーが主体的にブランドを運営してくれているので、ここ数年新商品の開発にはそこまで主体的に携わっていません。会社を成長させるためにも、全て経営者の感覚に頼るのではなく、組織化、仕組化して再現性を持たせることが大事だと考えているからです。

AIR SHELFのような素敵なブランドも生まれているのですが、一方で役員会議などの場で企画や発売前の確認をするときに「なんだかときめかない…」ともやもやしてしまうことも時々あるんです。
このパーツを具体的にもっとこうしたらいい、とその場で明確に言えないのですが、ラブリコが発売した当初のような「こんなのが欲しかった!」というほどピンとこないというか…

もちろん、メンバーは一生懸命考えてくれているし、その動きを否定するつもりはありません。
いろんな分析をして、プロセスに従い考えた上で提案をしてくれている。

じゃあなぜ、もやもやするのか。

この考え自体がなんだか感覚的な話ではあるかもしれませんが
再現性を高めるように強い組織にすればするほど、意思決定の場では特に、論理的になり、感性的な部分から離れていくような気がするんです。
事実に基づいて論理的に説明できることが合意形成しやすく、「ときめく」「素敵!」「なんかピンとこない」「こっちの方が平安っぽい」という具体的に説明できない、感覚的なものが淘汰されていく。

もちろん、ビジネスにおいて論理的な思考力はとても大事です。論理的に物事を進められる方がメンバーにも分かりやすく、指示も明確なので、どんどん強い組織になっていく。
でも、暮らしやユーザーに心から寄り添い「これが欲しかった!!」を生み出したいと願う企業だからこそ、論理や数字で説明がつきづらい感性的な部分をビジネスの意思決定に反映させていくことも、両方大事なのではないかなとも思うのです。それこそが私の目指したかった再現性なのではないかと。

社員の半分以上が女性なのに、意思決定の場にはいない?

そう考えたとき、今の平安伸銅工業って、社員の半分は女性なのに、10名近くいるグループ長は、女性がたった1名しかいないんですよね。
経営の重要な意思決定を行う等級でみると女性は私だけになります。

女性だから感性的で男性だから論理的と必ずしも思いません。でも、「感性的な人ニアリーイコール女性」と仮説を置いたとき、そういった人が意思決定の場にほとんどいない、というのはさっき言ったようなバランスがとりづらいのではと思うのです。

現に私ですら「こういうことやった方がいい気がするんだよね。」とは会議の場で言いづらい。今のメンバーも真っ向から否定することはなく、色々考えてくれているのですが「エビデンスも論理もないことは発言しづらいな…」と怯んでしまう。

数年前のグループ長向けの研修。中央のファシリテーターの女性以外がグループ長。もちろんみんなとても優秀なのですが、今思うとほんとに女性少ない。

もちろん、経営の意思決定やリーダーの役割は100%感性だけでできるものではないので、感性が先にきてもある程度理論に落とし込めるようなビジネススキルや論理的思考力が必要なのですが。

活躍している女性メンバーは多いのに女性リーダーが少ないのはなぜか…
環境なのか、教育なのか、働き方なのか、はたまたそもそも別の要因なのか
何か重大な阻害要因があるとすれば、それは社長として取り除き、道をつくりたいと思う。
それがうまくいけば、きっと、性差だけでなくどんな立場や背景を持った人も、意思決定の場に立つことができると思うのです。

だから、今年の全社総会でメンバーに対しても「賢いふりをやめ、感性・直感型を爆発させる!」と宣言しました。
まずは私が率先して、感性的な部分を意思決定の場に持ってくる。
そして、人事チームとも協力しながら、そんな「平安らしい」会社をつくっていければと思っています。

10年前にとある会合に出たときのこと。家庭日用品は皆が使うもののはずなのに、私以外みんな男性。ここで強烈な違和感を感じた体験がこの考えにも繋がっています。

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