Why? TAKEUSMI③&④
※ 本稿は「Why? TAKESUMI③」及び「Why? TAKESUMI④」を元に、一部加筆修正を加えて記載しています。
まいど、株式会社TAKESUMIの代表取締役社長の小松です。
前回に引き続き、なぜ私がTAKESUMIに関わるようになったかについてお話したいと思います。
1.竹炭インテリアを、標準化して、工業製品化できないか?
2.竹炭インテリアなど祝い花の市場規模はどれぐらいなのか?
3.お客様は誰で、お客様から受け入れられる価格はいくらで、お客様の活用シーンは何なのか?ニーズがあるのか?
竹炭インテリアをソーシャルビジネスとして事業化するうえで、経営のプロとして確認したいと考えた点は上記の3つです。
1.竹炭インテリアを、標準化して、工業製品化できないか?
南から、ハイエンドなホテルの全室に「1点モノ」の竹炭インテリアを納品したときの過去の竹炭インテリア「作品」を見せてもらって、まさに「アート」の世界で、非常に素晴らしい竹炭インテリアだと思いました。
しかし、そう思うと同時に、これでは「竹害」という社会的課題の解決というストーリーと合致しないと考えました。
この社会的課題を解決するためには、ある程度の商品数が必要なのです。
そのためには、竹炭インテリアを「アート」から「オシャレな工業製品」にする必要がありました。
一般的なアートの特徴は、(1)1点モノ、(2)コストや原材料調達などの制約条件がない、(3)アーティストによって直接的に制作されているなどがあります。
これに対して、ここで言う工業製品の特徴は、(1)標準化されていて、大量生産が可能、(2)コストや原材料調達などの制約条件がある、(3)アーティスト(デザイナー)が「設計図」を作るものの、直接的に制作には関与せず、(一定のスキルのある)別の人でも制作することができるなどがあります。
南の制作してきた竹炭インテリアは、まさに「アート」の世界でした。1つずつ丁寧に、南自らの手によって制作されていて、人の心を打つ素晴らしい「作品」です。
これをビジネス化するにあたって、コストはもちろんのこと、デザインされていて、なおかつ、数も確保できる原材料の調達をしっかりと考え抜いて、南以外の別の人でも制作ができるような商品にして、オシャレな竹炭インテリアにする必要があると考えました。
この話は、竹炭クリエーターとして活躍してきたアーティストの南にも、しっかりと納得してもらう必要がありました。
結論はOKでした。
竹炭インテリアを20年近く制作してきた南にとっては、この竹炭インテリアが多くの人の目に触れ、様々なシーンで飾ってもらって、竹炭を取り巻く諸問題を解決したいという想いを強く持っていました。
その後、南と話し合って、TAKESUMIとしては、3つの商品カテゴリーにしようという話になりました。
祝い竹炭 ⇒ 胡蝶蘭など祝い花のような贈答品用の竹炭インテリア
飾り竹炭 ⇒ ご家庭やオフィスに置くことができる竹炭インテリア
祭り竹炭 ⇒ 特に芸術性の高いアート領域の竹炭インテリア
<私が確認したいと思ったこと>
1.竹炭インテリアを、標準化して、工業製品化できないか?
2.竹炭インテリアなど祝い花の市場規模はどれぐらいなのか?
3.お客様は誰で、お客様から受け入れられる価格はいくらで、お客様の活用シーンは何なのか?ニーズがあるのか?
竹炭インテリアをソーシャルビジネスとして事業化するうえで、2つ目のポイントは市場規模です。
なお、以前話題になった「競合がいない市場でビジネスをする戦略」という「ブルー・オーシャン戦略」のような考え方もありますが、ターゲットを狭くし過ぎてニッチ(すき間)ビジネスになりすぎてしまうリスクと、何より竹炭インテリア事業は、ソーシャルビジネスであるという側面から、既にマーケットがあるところ・お客様がいるところでビジネス展開できるように事業ドメインを設定しました。
2.竹炭インテリアなど祝い花の市場規模はどれぐらいなのか?
私と南は、竹炭インテリアを事業化するにあたり、竹炭インテリアが利用されるシーンを考えました。
インテリアですので、(1)贈答品としてお世話になった人に贈呈する、(2)ライフスタイルに合わせて、個人で購入する、(3)観賞用のアートとして、個人で購入するの3つが大きな使い道と考えました。
結果、前回ご紹介したとおり、以下の商品カテゴリーとなりました。
祝い竹炭 ⇒ 胡蝶蘭など祝い花のような贈答品用の竹炭インテリア
飾り竹炭 ⇒ ご家庭やオフィスに置くことができる竹炭インテリア
祭り竹炭 ⇒ 特に芸術性の高いアート領域の竹炭インテリア
私たちがこの商品カテゴリーの中で最初に着手したのは「祝い竹炭」です。竹炭には、炭は風水で運気がいいと言われており、既に縁起物として一定のニーズがあったからです。
一般的に、新たにビジネス化をするときは、事前に市場規模を調べます。
それでは「祝い花」の市場規模はどれぐらいあるのでしょう?
実は、胡蝶蘭などの洋ランの市場ですが、年間 約350億円もの市場規模があるのです。
祝い花としては胡蝶蘭が一般的です。私も社会人になってから、新規に飲食店などを開店したり、オフィスを引っ越ししたりすると、胡蝶蘭がたくさんお世話になった人から届く光景を見てまいりました。
あの胡蝶蘭の市場規模の1,000分の1で年間3,000万円、平均2万円の商品単価で、1,500個の竹炭インテリア、夢は大きく、100分の1で年間3億円、15,000個の竹炭インテリアとなります。
私たちはこの想定以上に大きな胡蝶蘭市場に狙いを定めて、市場シェアの0.1%、いや、1%(!)を目指して、このソーシャルビジネスの竹炭インテリア事業に踏み出そうと考えたのです。(つづく)
<ご紹介>
ECサイト「祝い竹炭」 胡蝶蘭など祝い花のような贈答品用の竹炭インテリア
ECサイト「飾り竹炭」 ご家庭やオフィスに置くことができる竹炭インテリア
株式会社TAKESUMI 代表取締役社長 小松 裕介
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2016年1月に株式会社TAKESUMI設立と同時に代表取締役社長に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。