見出し画像

竹害という社会的課題⑥

まいど、株式会社TAKESUMIの代表取締役社長の小松です。

当社では、「竹害」から日本の里山を守るため、ソーシャルビジネスとして、日本の最高級の竹炭を用いたD2Cブランド・竹炭インテリア「TAKESUMI」を展開する竹炭インテリア事業を行っています。

今まで「竹害」をテーマにしたNPO法人など団体、林野庁、各地方公共団体についてご紹介をしてきましたが、本日は大企業のCSRを取り上げたいと思います。

公共・社会活動のプレイヤーとしては、国、地方公共団体、NPO団体は非常に分かりやすい存在ですが、忘れてはならないのは、大企業のCSR活動です。何より資本力がありますし、メディアへの影響力もあり、非常に大きな力があります。

1.サントリー 竹林問題

最近、日本の山を見ると、「あれ? こんなに竹が多かったかな」と思うことはありませんか。いま、日本中で、竹がどんどん増えて、雑木林を枯らしています。

竹という植物は、毎年3メートルほどの地下茎を伸ばし、そこからタケノコを生やします。雑木林に隣接して放置竹林があると、竹は、雑木林の中にどんどん地下茎を伸ばして陣地を拡大していきます。タケノコは、わずか2・3ヵ月で10数メートル、元気な竹の場合には、20数メートルの高さまで育ち、
内側の雑木から光を奪って枯らしていきます。こうして、雑木林は、次々に竹藪に変わっていってしまうのです。

しかも急斜面の竹林は、崖崩れの危険性を高めます。雑木林で崖崩れが起こりにくい秘密は、「根」にあります。様々な樹種が混じり合う雑木林では、
深くまっすぐに根を伸ばして「杭」の役割を果たす木と、横に根を張り土を抑える「ネット」役の木が協力しあって、崖崩れを防いでくれているのです。一方、竹の地下茎は、横に広がります。つまり土を押さえるネットの働きには優れているのですが、「杭」の役割がありません。当然、大雨などの際にずり落ちる危険性が高くなるのです。

そこでサントリーでは、特に急斜面の竹藪を対象にした整備を行っています。まだ雑木が生き残っている場所では、侵入した竹を全伐。雑木が枯れてしまった場所では、ヘクタールあたり1万本以上になっている竹を、とりあえずは3千本ほどまで間伐して、自然に生えてくる広葉樹を育てたり、場合によっては植樹するなどして、もとの雑木林に戻していく活動をしています。

2.LIFULL BAMBOO SWEETS–竹害から生まれた和菓子–

全国各地で「放置竹林」が増加し社会問題となりつつある「竹」にフォーカス。パウダー状にした放置竹林の竹をすべての作品に使用し、海外からも注目を集める 新進気鋭のシェフ薬師神 陸氏と、和菓子作家の坂本紫穗氏による、合計8品の和菓子のフルコースを発表しました。

LIFULLでは、このたびの「LIFULL Table Presents 地球料理 -Earth Cuisine-」第二弾「BAMBOO SWEETS -竹害から生まれた和菓子- 」を通じて、全国に広がる放置竹林の現状を伝え、放置竹林を「食べる」という新たな用途を開発することで、日本の森林、そして地球を守る取り組みの一助になりたいと考えています。

3.富国生命 「フコク生命(いのち)の森」プロジェクト

2006年度より、環境保護活動に参加・体験することのできる場として「竹害対策」を主とした「フコク生命(いのち)の森」プロジェクトを行っております。現在、後継者不足などで、人の手が入らなくなった放置林が増えています。中でも繁殖力の強い孟宗竹(もうそうちく)の放置林は、温室効果ガスの一つであるCO2の吸着に必要な森林を侵食していくだけでなく、農耕地への侵入などの悪影響を引き起こしています。また、根の浅い竹林は地すべりや表土の流失の原因ともなり、山林の荒廃や土砂崩れなどの災害の原因ともなります。これを「竹害」と言い、自然環境の保全や災害対策が必要となってきています。

「フコク生命(いのち)の森」プロジェクトは、当社が静岡県伊東市宇佐美に保有する山林を保全するため、竹林伐採を当社役職員の手によって行う活動です。森の再生だけでなく、間伐により竹林自体も健全な状態に戻していくことを目標とし、社内の有志により組織された「宇佐美倶楽部」が中心となって進められています。2018年度は、10回実施し、113名の役職員とその家族などがボランティアで参加しました。



<ご紹介>
ECサイト「祝い竹炭」 胡蝶蘭など祝い花のような贈答品用の竹炭インテリア
ECサイト「飾り竹炭」 ご家庭やオフィスに置くことができる竹炭インテリア

いいなと思ったら応援しよう!