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「5年後も、僕は生きています ⑮魂の声の聴き方
おはようございます。
今日もこのnoteにご訪問いただき、ありがとうございます。感謝です。
やっぱり、文章を書く者としては、読んでいただくことが一番の喜びなんですね~。
僕の記事で、お楽しみ下さい。
人生いろいろあります。全て実話です(笑)
★肺癌ステージ4からの生還「僕は、死なない。」はこちらをご覧下さい。
2016年9月1日~2017年7月位までのノンフィクションです。
「5年後も、僕は生きています」第1話から読みたい方はこちらからお読みいただけます。(2017年8月以降のノンフィクションです)
ではでは、第15話です。
⑮魂の声の聴き方
2017年12月15日、今後のことを話すために、約ひと月ぶりに会社に行きました。
社長は言いました。
「今日は来てくれてありがとう。前回の刀根さんの話を聞いて、会社としてもいろいろ考えてみました。とりあえず、休職期間は傷病手当の期限の切れる3月末まで、延長することにしました」
心の中のどこかで、ほっとした自分がいました。
「ありがとうございます」
退職までの期間が増えたことは、追い詰められた気持ちを少し和らげてくれました。でも、基本的なことは何も解決してません。猶予期間が増えただけです。
そして、こういう提案を受けました。
「4月以降について、3つの働き方を提示したいと思います」
そこで提案された働き方は三つでした。
ひとつめは講師ではなく「事務職」。その代わりお給料半分。
まあ、前もそんな話は聞いていたし…
給料半分か…
それじゃ、生活は成り立たないな。
今だってゆとりがあるわけじゃないし、妻のパートでなんとかやりくりしているのに、給料が半分になったら生活できない。
二つ目は「定額契約の講師」。
僕に依頼する予定の1年分の研修金額を12等分に割って、毎月支払うという形式です。足りない分は自分で稼ぐ、という形式です。
僕は聞きました。
「2番目の定額支給と言うのは、どのくらいの定額金額になるのですか? おおよそでも、それが分からないと僕も判断できないのですが」
「今は全く分かりません。刀根さんも知っての通り、来年の2月中旬くらいにならないとその年の仕事のボリュームが読めないので。これは外部講師の仕事も同じです。どのくらい仕事が来るかは、2月中旬くらいにならないと分からないの、知ってるでしょ」
ま、会社としては確かにその通り…でもそれじゃ、こっち側としても、まったく計画が立てられないな…
「残念ながら、仕事ありません」「定額は毎月1万円です」ということも充分に考えられる、いや、そうなる可能性が高い気がする…
それじゃ、定額の意味ないな…
三つ目は「完全フリー」。つまり、完全なる退職ってやつだ。
「わかりました。いますぐ結論を出せる問題じゃないので、考えさせてください」
僕は会社を後にしました。
帰りの電車の中でよく考えてみました。
まず事務職の仕事。
さて、事務職で給料半分。
僕は、事務仕事を延々と続けることに耐えられるんだろうか?
いやいや、そもそも給料半分じゃ、生活できないし、無理だよ、無理。
そもそも、事務の仕事自体、あまり得意じゃない、というか、苦手だし。
この線は消えました。
次は定額支給で、足りない分を自分で稼ぐというものです。
社長は、その定額がいくらになるのか分からないと言っていました。
もし社長の言う通りに2月中旬まで待って提示された金額が、「なにこれ?」「この金額じゃ生活の基盤まったくならない、絶対無理」ってなったとき、どうする?
この流れから行ったら、そうなる可能性が大きく感じました。
「足りない分は自分で稼ぐ」という条件ではあるものの、社長は僕の仕事に制約をかけると言っていました。
会社から見て「これはダメ」「これはいい」といちいち了承を得なければならない、ということです。
僕がどんな仕事を受けるか、会社がすべて判断する、と言うのです。その条件のうえで「自分で稼いで頂戴ね」という提案です。
そんな首に鎖をつながれたような状態、僕が我慢できるか?
これはダメ、あれもダメ、そう制約ばかりかけられたら、おそらく個人で仕事なんて出来ないだろう。
ありえない。
だからこれも却下。
最後の選択は、完全に会社を退職してフリーの外部講師の道です。
僕は思いました。
最後は“考え”じゃなくて、“感じ”で選ぼう。
こういう時は胸に手を当てて『感じて』みるのが一番です。
胸の真ん中を感じます。
一番再最初の「事務」…胸は全然ときめきません。逆にどんより重くなってきました。
二番目の「定額支給」…これも同じ。自分が会社の鎖につながれたように感じて、とてもいや~な気分になりました。
無理でしょ、無理。
三番目の「完全フリー」…
胸の真ん中が軽く、スッキリとしてきました。
まるで雲ひとつない青空のような爽快感です。
ああ~
これだな
この感覚。
僕の魂は、この選択を望んでいるんだ。
これが、僕の進む道なんだ…
僕は会社を辞め、完全フリーになることを決めました。
「迷ったときは、魂に聴く」
僕が新刊「さとりをひらいた犬」でも書いていることです。
魂は「言葉」を話しません。
「感覚」で会話をしてきます。
だからこそ、「考える」「思考」ではなく「感じる」ということが大事になってくるのです。
「考えるのではなく、感じる」
そして、「魂は全てを知っている」のです。
「思考」でいろいろ考え、どんなに対策を練っても、それは「思考」の枠組みから出られません。
過去の経験から、対策を考え、未来を予想するのが「思考」のお仕事です。
ですから「過去」の延長線にしか、「未来」を作ることが出来ません。
「思考」が作り出す予定調和の中でしか生きていくことが出来ません。
ま、エゴ(自我)は「分からない」ことそのものが不安なので、予定調和のほうが安心するんですけれどね(笑)。
僕たちの目の前の展開する宇宙は、同じこと、同じ時間は二度とありません。
常に新鮮
常に新しい体験で
常に初めて
そして、常に去っていく…
この大いなる流れ、宇宙の流れに乗るためには「思考」から抜け出る必要があるのです。
こういう禅語があります。
一切無為法
如夢幻泡影
僕的に訳しますと、
「エゴや思考による一切のDOINGは、夢・まぼろし・泡・影のようなもので、すべてうまくいかない」
そう、エゴや思考を超え、まさに「天地同根、万物一体」の状態に周波数をチューニングすることが、すべての肝なのです。
その第一歩、それが「魂に聴く」ということなんだと思います。
そういうことを「学びなさい」という魂の教育課程がこのときの「会社の退職」だったのだと、今では理解できます。
その当時(2017年の12月)では、まだまだ僕のエゴが心の中で文句や不安を言い続けてグラグラしていましたが、そのグラグラを通る抜けるという「体験」そのものが僕にとって必要なことだったんだと思います。
ですから、通り抜けてしまえば、すべてのことに「感謝」しかありません。
⑯へつづく
★2021年新刊(2021年12月出版)
「さとりをひらいた犬/本当の自分に出会う物語」
こちらの本も、お読みいただくと嬉しいです。