❖見タイ!知りタイ!伝えタイ(号外3)❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2023年7月13日)
♪サワディー(こんにちは)
昨日の昼頃、在タイ日本国大使館からメールが届きました。私は現在ラオスに住んでいますが、去年勤めていたバンコクの在外教育施設の高校で引き続きオンライン授業をしているため、去年の教員用メールアドレスをそのまま持っています。そのアドレスにメールが届いたのです。
メールの件名は「バンコクにおける政治集会(7月12日(水)、13日(木))」。
メール本文は次のようなものでした。
・インターネット上の情報によれば、7月13日(木)に予定されている議会での首相指名選挙に先立ち、本日7月12日(水)及び明日13日(木)、以下の場所において、政治集会が行われる見込みです。
・不測の事態に備え、集会が行われている現場周辺には近づかないようにするなど、ご自身の身の安全を確保してください。
・集会場所周辺では、交通渋滞や交通規制等も予想され、また政治集会予定は、急遽変更や追加等の可能性がありますので御注意ください。
・情勢次第では、周辺地区にまで影響が出る可能性もあります。最新の関連情報の入手に努めるとともに、周辺への興味本位での立ち寄りは絶対に避け、また付近にお住まいの方は外出を控えるなど、安全確保には十分注意を払って下さい。
【バンコクにおける政治集会】
1 日時:7月12日(水)18時頃から
場所:MBK前スカイウォーク(パトゥムワン交差点周辺(BTSナショナル・スタジアム駅近く))
2 日時:7月13日(木)15時頃から
場所:国会議事堂周辺
7月7日頃のネットニュースで、5月に実施されたタイの下院選挙(人民代表院選挙)の結果を受けた首相指名が7月13日に行われるとの報道があったのは知っていましたが、メールに書かれている政治集会はそれと繋がりを持つもののようです。そしていよいよ今日、首相指名が行われるわけです。
現在首相を務めているプラユット氏は首相指名が13日に行われることが明らかになった後の7月11日に政界引退を表明しました。そして、現在所属している「タイ団結国家建設党」からの離党することも表明しています。そのため、今日の首相指名ではプラユット氏は候補にならないようです。
プラユット氏は2014年の軍部によるクーデターの際、陸軍司令官としてクーデターの中心人物でした。その後、2019年に行われた下院選挙の結果を受け、首相を務めていました。しかし、去年のバンコク都知事選挙にしても、5月の下院選挙にしても、国民は軍部の影響を受けた政治の継続は望んでいないことが選挙結果から伝わってきます。
今日行われる首相指名は、下院議員500名と上院議員250名を合わせた「750」名による投票で行われます。過半数は「376」票です。最近の報道では、選挙前に野党だった8党が協力する形のようです。この8党は、5月の下院選挙で第一党となった「前進党」の党首ピタ氏を指名することで話が進んでいますが、8党の獲得議席の合計は「312」で、過半数には達していません。
また上院議員は軍政の頃に選ばれているため、民主的な改革を強く主張するピタ氏に難色を示しているとの見方もあります。一方、連立与党の側からは「国民国家の力党」の党首であり副首相も務めるプラウィット・ウォンスワン氏が立候補する予定とのことです。
さらに不穏な動きとしては、ピタ氏が5月の下院選挙に立候補する議員資格がなかったのではないかと、タイの選挙管理委員会が昨日の段階で、憲法裁判所に判断を求めたという出来事ですね。タイの憲法では政治家がメディア株を保有することは禁じられていて、選挙の立候補の時点で対象になります。
このように首相指名直前に様々な動きがあり、穏やかではありませんね。果たして誰が首相に指名されるでしょうか。今日はネットニュースをこまめに確認しようと思います。
ちなみに、「首相、総理大臣」はタイ語で「นายกรัฐมนตรี(ナーヨック ラッタモントリー)」といいます。ラオ語では「ນາຍົກລັດຖະມົນຕີ(ナーヨック ラッタモンティー)」なので似ていますね。
それでは本日はここまで。
♪ジューガンマイ(また会いましょう)