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★我楽多だらけの製哲書(10)★~我楽多を凌駕しつつある毎日投稿とエマーソン~

「オレ、なんか上手くなってきた」

自分は活動を、ある種のルーティンに近づけることで、一回一回の活動開始時に意志を起動させて動き出すという「精神的または質的な行動きっかけ」の難しさを回避している。ある種のルーティンによって、行動はONかOFFかというシンプルなモノに転化し、その都度奮い立たせる意志を特別必要としない「習慣的または量的な行動きっかけ」になるため、あまり悩まずに行動できる可能性が生まれるのである。

ここ最近で、私の中で最も順調にルーティン化され、その繰り返しまたは積み重なりに心地よさを感じていたのが、去年の勤務校で取り組んでいた、日曜日を除く毎朝、自分のクラスへコラムを配信するという「毎朝コラム」であった。別の勤務校でも、毎日帰りのHRで一枚プリントを作成し、生徒たちに何かを考えてもらう機会を提供するルーティンを用いていたが、それは「1日の振り返り」というニュアンスのものであった。そのため、私が何らかのコンテンツを毎日用意するというよりは、振り返りの枠を固定して毎日それに取り組ませるという生徒側のルーティンに近いものであった。ただ、この時も単に振り返りだけを求めていたわけではなく、毎回のプリントに名言を載せたり、学問の紹介をしたり、職業の紹介をしたりと、時期ごとでシリーズ化してコンテンツを提供していたが、どちらかと言えば「おまけ」に近いものだったと感じている。それ以外にも長期休みになるとコラムを送ってはいたものの、それは長期休みという期間限定でのルーティンだったわけで、普段の生活の中で毎日というのは、長い教員生活の中で、初めての試みであった。これはコラムを書くことに慣れてきたことも関係しているとは思うが、コロナ禍でZOOMでの朝礼・終礼などオンラインのHR経営を余儀なくされてスタートしたことの影響が大きいと思っている。

去年1年間、私が取り組んだ活動は、コラムがメインであり、それに時期ごとで様々な国の文化を紹介するプリント、勉強の方法をアドバイスするプリント、学問や職業を紹介するプリントを添付する形をとった。

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夏休みに入る前までは、「一日一日の生活目標」をテーマにコラムを書いていたが、夏休みに入ると生徒が集まって学校生活を送るわけではないため、生活目標を毎朝配信する意味が弱いと思い、夏休みからは毎朝一つの名言を紹介し、それについて考察をしてみるという「名言でレベルアップ」というテーマのコラムに移行したのである。

夏休みに書いたコラムは全部で36回であった。(その中で紹介した名言とその名言を残した人物をリストは最後に載せておく)

夏休み中は名言から何かを感じ取ってほしいという気持ちが主であったので、生徒にとっては「インプット主体の働きかけ」となっていた。夏休み後は、そこからさらにレベルアップをしてほしいと思い、「今日の名言」に加えて、その名言から生徒たちへ一つの問題提起をするという「今日の問い」もスタートさせた。これによってインプットだけではなく、「アウトプットの働きかけ」が追加されたわけである。

これまで様々なSNSでも、毎日とはいかないができるだけ定期的に考察的投稿をしようと考え・思いを綴ってきた。そうした投稿履歴を振り返ると、最初に比べて文章を書くための技術が向上しているように感じる。しかし考察的投稿という多少緩やかなルーティンに加えて、去年行っていた毎朝コラムという安定的ルーティンのおかげで、文章を書くための技術はさらに向上した実感がある。

冒頭の「オレ、なんか上手くなってきた」という言葉は、バスケットをテーマにした漫画『スラムダンク』の中のセリフで、主人公が強豪校に勝利した翌日の朝練の中でふと発したものである。SNSで定期的に考察的投稿を綴ったり、毎日欠かさずコラムを書いたりしたことを通じて、私もこの漫画の主人公に共感できるようになっている。

アメリカの詩人・哲学者であり、無教会主義を先導する人物でもあるラルフ・ウォルドー・エマーソンは、継続して物事に取り組むことが生み出す結果を次のような言葉で表現している。
「継続して行う事柄は、容易に行えるようになる。それは物事の性質が変わるからではなく、わたしたちの力が増すからである。」

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