サッカーワールドカップ 語〜る
そのBARの所在地は、
〒 009 ー 017
日本トップ下、左三笘、
ゴールライン切り返しアオ入ル。
「ワールドカップ語〜る」
という名の酒場。
※
ってかさ〜、
「頼みやすいパスの受け手」が、
チーム内での、
良いパスを引き出すんだよな〜。
アイコンタクトだけで
「いいよっつ!」って、
ウェルカムに構えてくれて、
パスを出しやすい奴がいると、
いいパスって、自然に出るんだよなぁ。
パスが出しにくいと、
チームって硬くなるじゃん。
パスってさ〜、
一人で産み出すんじゃないからなぁ〜。
だって、パスだよっつ!
「・」点じゃないんだよ、
2点間を結ぶ「ー」線だよ、
繋げる線なんだよ、パスってさ。
サッカーやバスケもそうだけど、
球技って、パス大事よ。
仕事だってパスのゲームじゃん。
チームプレイは全部パスよ!
相手に囲まれても、
課題をひとりで抱え込んで潰れたり、
何とか、苦し紛れにパスを出しても、
結局、相手に取られたり、
そういうのが、チーム内に減るので、
スムーズな連携が生まれるじゃん。
前に向かってゆくじゃん。
だよね、だよねー、
お前、聞き上手だから、
オイラが、言葉を引き出されるんだよな。
お前、ちゃんと見てくれてるじゃん、
壁つくらないし、
距離感も、リズム感も、いいし、
チーム内で、
パス受けの回数が多いやつって、
みんなから、慕われてる証拠なんだよなっ。
お前は、
今日みたいに、急に呼び出しても、
合わせてくれるじゃん、
断わらないから、
奢りたくなるんだよな。
※
しばらくするとグラスが空き、
男が無言で持ち上げると
「おかわりですね」と、
マスターにパスが通った。
お前は、何にする?
ここは白州も焼き鳥もあるよ、
じゃあ、それと、
鶏皮もらおうかなぁ。
あれ美味いんだよ、
ここの鶏皮は「首の皮」なんだよ。
※
2022年12月2日
東京に夜明けが近づいていた頃、
引き分けでは敗退だった日本を、
首の皮一枚で救ったゴールが生まれた。
ゴールライン、スレスレで、
三笘が切り返したボールを、
田中碧が受け、ゴールへ運んだ。
カウンターには、
繋がった鳥の首の皮が運ばれた。
そして、
サッカーを愛する人たちの、
数々の素晴らしいパスがつながって、
日本はベスト16へと運ばれた。
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