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ザ・クエイクス/ザ・クエイクス (‘88)
The Quakes / The Quakes (‘88)
‘86年にニューヨーク州バッファローで結成された、初期のサイコビリーバンドの一つであるザ・クエイクスのファーストアルバム。彼らは当時のアメリカにサイコビリーの土壌がないこともあり、かつてのストレイ・キャッツ同様、イギリスへ渡り活動することになる。イギリスにはロカビリーの文化が根強く残っており、その発展形としてのサイコビリーも確実に定着していた。
当時のイギリスではクラブフットやビッグ・ランブル・ウィークエンダーなどでサイコビリーバンドがブームの中心の一つとなっており、彼らのサウンドは受け入れられることになる。「サイコビリー・ジキル&ミスター・ハイド」は、そんな彼らのヒットでもあった。本作はリリース時に購入、現在でも中古盤は入手可能だが、総じて高価格になってしまっている。
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ご存知の方も多いと思うが、本作のジャケットは、ストレイ・キャッツのファーストアルバムをオマージュしたデザインとなっている。これらのアルバムを比較すれば、ネオロカビリーとサイコビリーの違いを認識することができる。
ファッション然り、ホラー要素の強いデザインや、ハードコアからの影響が如実に出ているヘアスタイルなど、サイコビリーは既存のロカビリーと別のカテゴリーとの融合によって発生したことが理解できよう。
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オフィシャルの「サイコビリー・ジキル&ミスター・ハイド」のライブ映像をどうぞ。
Spotifyのプレビューはこちら。
サイコビリーは、その奇抜さだけが注目されてしまっている部分があるが、カバー曲の豊富さ〜解釈の違いを聴くだけでも面白い。同時期では、キング・カートの「マック・ザ・ナイフ」「ギャザー・ユア・リムス(聖者が街にやって来る)」や、メテオスの「霧の中のジョニー」「ローハイド」などがカバー曲として、アルバムに収録されている。