ドリンキング・マンズ・フレンド/エリック・クインシー・テイト (‘72)
Drinking Man’s Friend / Eric Quincy Tate (‘72)
前回は真面目な(?)内容だったので、今回は久しぶりに謎のキャプリコーン・レコードの紹介をしてみようと思う。そのアルバムは、エリック・クインシー・テイトの’72年リリースの「ドリンキング・マンズ・フレンド」である。彼らはテキサス州サン・アントニオのローカルバンド「ザ・キングス〜The Kings」であったが、トニー・ジョー・ホワイトによって見出され、彼を通じてキャプリコーン・レコードのジェリー・ウェクスラーとフィル・ウォルデンによって正式に契約された。
‘70年にリリースされたファーストアルバムは、トニー、ジェリーとフィルによってプロデュースされ、当時アトランティック・レコードの傘下であった、コティリオン・レコードからリリースされた。このアルバムは、かなり前に名盤探検隊としてCD化された。
本作のプロデュースはポール・ホーンズビーが手がけており、リリースはキャプリコーン・レコードとなっている。
サウンドはトニー・ジョー・ホワイトが見出しただけあって、黒っぽいスワンプ風味となっている。キャプリコーン・レコード内では、ウェット・ウィリーのようなソウルではなく、どちらかと言えば、エディ・ヒントンのような雰囲気である。’60年代風のオルガンサウンドは、モーズ・ジョーンズにも近い雰囲気である。
ちなみにジャケットデザインは、オールマン・ブラザーズ・バンドのイート・ア・ピーチの見開きジャケットと同じ、ワンダー・グラフィックスによるものである。
A面1曲目「ブラウン。シュガー〜Brown Sugar」
B面3曲目「キャント・ゲット・ホーム・フォー・ユア・パーティー〜Can’t Get Home for Your Party」
フルアルバムはこちら。
‘77年までに4枚のアルバムをリリースし、その後の消息は不明であったが、’06年にオリジナルメンバー(本作と同じ)4名により再結成された。
本作は長い間探してきた一枚である。もちろんプライスを考慮しなければ入手は可能であるが、常識的な価格のモノを探すまでには10年近くかかった一枚である。某オークションでは5桁近いプライスになっていることもあった。
やっぱりサザンロック「迷盤」発掘は楽しい。