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オンライン・ワークショップのやり方TIPS集

新型コロナ情勢で、オンラインでのワークショップ機会も増えてきました。
ワークショップと言わないまでも、大人数でのオンライン会議や、オンライン・イベントなども。もちろん研修やら、学校の授業やら、準備が必要なオンラインの場は増えています。
こうした場を活性化させるにはちょっとコツがいるのでやり方をまとめてみました。
以下は便宜的に、“ワークショップ”という言葉で記載しています。
ぶっちゃけ、ファシリテータ-を務める方のファシリテーション能力とデジタル・リテラシーにかなり依存してきます。
慣れてない方がホストする場合は、慣れてる方にサポートしてもらったほうがいいですね。


〇基本的な準備
基本的な準備は、オンラインMTGと何ら変わりません。
なので、まずはオンラインMTGのやり方は、こちらです。
 https://note.com/shibutake79/n/nb5131e7d7eb4



〇ワークショップの大枠を決める
・なぜやるのか、課題意識を明確にする
・なんのためにやるのか、実施目的を明確にする
・だれが参加するのか(参加条件、参加前提)を明確にする
・何人参加するのかを明確にする
・どういう状態から始めるのか、明確にする
・どうしたいのか、具体的な獲得目標=終了時の状態を明確にする
・どういう内容をやるのか、アウトラインを決める
・いつ・どのくらいやるのか、日時を決める
・使用するツールを決める
・費用がかかるなら、費用を決める(基本事前に徴収、後払いだと回収が困難になるので)
※上記で概ね告知に必要な情報が整う。参加者管理を効率的にやるなら、FacebookのイベントやPeatixなどを使うと便利。


〇ワークショップの中身をつくる
・ワークショップ前に提供する情報を整理し、資料にまとめる
・ワークショップ内で話す内容を絞り込み資料にまとめ、時間を設定する(講師から話す時間は20%程度に、どんなに多くても30%以下にする)
・参加者同士による対話の時間を設定する
・参加者全員で共有する時間を設定する
・最大3時間程度までで、タイムスケジュールに落とし込む(3時間を超える場合は2回に分けるなど集中力を維持できる工夫をする、サンプルイメージは以下「ワークショップの実施」を参照)
・説明⇒参加者同士の対話⇒全員で共有のサイクルを小刻みに回せるようにする(説明は1分~長くて5分、参加者同士の対話は5~15分、全体共有5分、全体対話5分で、小分けにして繰り返していくイメージ)
・事前資料などを読んでいなくても、ワークショップは参加できるように準備しておく(どうしても難しい場合は除く)
※ワークショップの一つ一つが流れるように、前後関係がつながるように設計する。突然飛躍したりすると、参加者が混乱してしまう。



〇ワークショップ実施準備
・参加者と事前にオンラインでコミュニケーションできる環境を創る(Facebookグループ、Lineなど)
・参加者に対して、事前資料を提供して読んでおいてもらう(必要に応じて解説動画も作成して送る、事前課題がある場合も同様)
・参加者からの事前質問にもオンラインで答える
・参加者同士の自己紹介もオンライン上で行う(スプレッドシートやAirTableなどで共有する)
・当日の進行内容や留意事項なども事前に共有する
・ワークショップ中に使用するツールがある場合は、事前に設定を依頼する
・参加者に事前承諾が必要なことがあれば確認しておく(ワークショップ動画の配信など)
※参加者は、対話に参加する=発言する方であり、ただ聞いているだけの方は対象にしない。ただ聞いているだけであれば、YouTubeの同時配信などを活用する。



〇ワークショップ実施直前
・30分前にはホスト側(ファシリテーター+サポートスタッフ)の接続確認をする
・ホスト側のメンバーは識別しやすいように、表示名に記号を入れる(☆を頭につけるなど。)
・参加者が入ってくるたびに都度「こんにちは」「いらっしゃい」など声がけをする(声がけすると参加者の緊張が和らぐ、加えてファシリテーター側もコミュニケーションしやすくなる)
・出席をとる必要がある場合は、参加者が接続した時点で声がけして確認する(人数が多い場合は、チャットで自分の名前を書いてもらっておくやり方でもOK。あとでまとめて確認できるので)
・参加者には表示名に、読んでほしい名前を表示するようにしてもらう(ZOOMなどであれば表示名は変更可能)
・プログラム中の留意事項などあればスライドを用意し、画面共有して表示し続けて対応を促す。



〇ワークショップの実施
・最初に主催者が簡単に挨拶する(1分程度)
・そのまま趣旨説明する(長くて5分程度、画面共有で資料があったほうが伝わりやすい。とくにワークショップ実施の背景にある課題意識や、実施目的、目標などは明確に伝える)
・チェックインとして一人一人が発言できる時間をつくる(5~10分程度、参加者が自分の名前、いまどこにいるか、今の気分などを簡単に声に出し、場になれてもらうことが狙い、10名程度であれば一人30秒で一人ずつで、それ以上になったらZOOMであればブレイクアウトセッションを使い3人~4人一組でやってもらう)
・一つ目のトピックについて説明する(長くて5分程度、画面共有しながら話す。プレゼン主体であれば15分ぐらいでもOK。ただし一方的に話を聞くだけならそもそも動画配信で良いということになってしまうので注意)
・参加者同士で対話する準備として、説明を聞いての感想や意見を手元に書き出す(1~2分程度)
・参加者同士の対話の時間を設定する(5~15分程度、ZOOMであればブレイクアウトセッションを活用して3~4名程度のグループをつくり、前述の書き出したことをシェアするところから始める。書き出してあることで対話のきっかけをつくりやすい)
・各グループでどんな話がったかを共有してもらう(5分程度、各グループの代表者に共有してもらう、グループ数が多い場合は3~5グループを有志で。)
・共有してもらった内容は共同編集できるツールに記載したり、画面共有するなどしたりして、全員が文字でも共有・確認する(上記グループからの共有をやりながら)
・書き出した共有内容を踏まえた全体対話を行い、意見がある人が自由に発言する(5分程度、対話の方向修正などが必要な場合はここで調整する)
・次のトピックに移り、説明⇒感想や意見の書き出し⇒グループ対話⇒全体共有⇒全体対話を繰り返す
・最後にプログラム全体を振り返り、実施目的・実施目標などを踏まえて成果を確認する
※時間配分はプログラム内容によって変わる。体を動かすタイプのものであればグループ対話の部分で全員でやればOK。


〇ワークショップ実施時のサポート
・接続トラブルや操作トラブルが起きることがあるので、サポートメンバーを置いてチャットベースで参加者をフォローできるといい
・タイムスケジュールの管理が必要になるので、タイムキーパーも別にいる方が楽
・YouTubeなどへの同時配信などの対応もサポートできるといい
・参加者からの発言の記録もサポートがいたほうが楽
※場合によっては参加者にフォローしてもらうやり方もあり。できる人はファシリテーター一人で対応することも可能。



〇ワークショップ実施後
・オンライン懇親会・飲み会をそのままやる場合は、雰囲気を多少なりとも変えてみる(ZOOMであればバーチャル背景を変更するのは有効、その他のツールではファシリテーションで雰囲気の切り替えをする)
・すべての終わったら会議システムをホスト側で終了する(ホスト側で反省会をするような場合でもいったん終了させる)
・アンケートは終了後すぐに依頼する(余裕あればワークショップ中に記載する時間を盛り込んでもOK)
・ワークショップ中に作成したり、共有した資料、および記録動画を配信する(配信できるもの)
・参加者以外にも必要に応じて資料や動画を配信する
・オンラインコミュニケーションツールで参加者からの質疑を受け付けておく
・実施結果をレビューして、次に向けた改善点を確認し、ワークショップの品質をあげていく



〇参考)ダメなワークショップの例
・偉い人や進行役が一方的にしゃべっちゃう
・一人一人意見を確認しただけで終わっちゃう
・誰もしゃべらない、もしくは仕込み発言だけで終わる
・意見が飛び交ったけれど結局何だったかわからなくなっちゃう
・やった事実以外、何も残らない・次につながらない


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