【レビュー】 (第7戦)T.T彩たま VS 琉球アスティーダ 2020年12月14日(月)

はじめに

福祉に携わっていると「エンパワーメント」という言葉にいつしか出会うことになる。介護系の研修でも時々耳にするこの言葉。

 「人が持っている力を引き出し、湧き出させること」 を意味し、 個人や集団の潜在能力を発揮させる考え方のことを言うのだけど、個人でいえば英田理志選手(彩たま)はまさしくエンパワーメントを体現させている存在といえる。

彼のプレーにいつしか虜になっていた私は昨日、仕事で介護支援経過を記そうとしたさいに、「ご家族と食事をしている英田(間)は笑顔が見られた。」という誤入力をしてしまった。

集団の潜在能力を開花させたという意味では、リーグ新記録となる7連勝を達成した琉球アスティーダ。このチームの快進撃を見逃すことはできない。

琉球アスティーダの戦力について思うところ

手前みそであるが、私は戦前のTリーグ予想で大補強を敢行した琉球を優勝候補の筆頭にあげていたし、木下マイスター東京連覇の立役者であった候英超選手も「これまでのように勝てないのでは?」という見立てもしていたので、現在の順位については想定外というわけではない。

ただし、ここまでの飛躍は予想していなかった。

真晴キャプテンの安定したパフォーマンス。これが好調の礎になっていると自分は思っている。開幕戦を観たときは「相変わらず淡泊だな」とネガティブな印象を彼に抱いていたのだが、それ以降は見違えている。

落ち着きがプレーの端々に見られるようになり、「あれっ、こんなプレーをする選手だったっけ?」

この日の試合でそれをあらためて思い知らされるわけだが、少し驚いている。

本日の試合結果

1-3で琉球アスティーダの勝ち。

吉村兄弟の一角を崩し、ダブルスで勝利をおさめることができたもののシングルスで彩たまは全敗した。

琉球は8連勝で記録更新中。一方の彩たまは5連敗。3rdシーズン1位が早くも厳しくなってきた。

試合後ふりかえり

T.T彩たま(本日の三賞)

殊勲賞:曽根翔(2)/篠塚大登(初)

技能賞に該当する選手が見当たらなかったので2人受賞。木下戦は負けてしまったものの、ここまで2勝1敗。健闘している。後に続けなかった先輩たちに「せっかく勝ったのに何だよ」と内心不満もあるだろう。シングルスに出られない悔しい気持ちをぐっとこらえ、これからもチームのために貢献してほしい。

技能賞:該当者なし

「勝ちたいんじゃ!」賞:神巧也(4)

正念場だが、ここで見捨てずに応援を続けるのが真のファンというもの。個人的には「冷却期間」が必要であると考えるが、出場する以上は勝利を信じて応援するのみだ。

寸評

彩たま側の視点に立ち、坂本監督が組んだオーダーの是非について考察をしてみたい。

まれに監督のオーダーに「???」を感じることがあるのだが、今日の試合はまさにそれで、この試合(琉球戦)にジンタクキャプテンを起用した理由が解せない。

調子は決して悪くないし、気持ちの問題による部分が大きいのは誰の目からみても明らかなので、「そろそろ勝つだろう」という目論見で出場を決めていると思うのだけど、シングルスに出場できなかった選手から、不満が出てきても不思議がない状況である。

「仏の顔も三度(平野・和弘・戸上)まで」

少なくとも琉球戦での今後の起用について、結果はきちんと受け止めてほしい。

健太選手がコロナからどれだけ回復しているのかわからないし、篠塚選手が琉球戦のシングルスで一切起用されていない理由はよくわからないが、カットマン型の選手もそろそろ慣れられてくるだろうし、オーダーのテコ入れをしないと、このままでは差が開く一方かなと。

坂本監督の生まれである岡崎市にゆかりのある家康公の「鳴かぬなら鳴くまでまとうホトトギス」から「鳴かせてみよう」への転換を期待したい。






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