人前で話すのに自信がつくアドラー心理学~人前で緊張しないために
動画紹介(文字起こし全文掲載)
今日ご紹介する動画は、「人前で話すのに自信がつくアドラー心理学~人前で緊張しないために」です。
人前で話すのが苦手なあがり症の方が、アドラー心理学を元にどう臨めばいいのかについて、今日は語っていきます。
(※2020年4月28日公開動画)
緊張しないためのノウハウは書かない
今日は、私の本についてご紹介をしていきたいと思います。
何冊か本を出しているんですけど、今日ご紹介するのは、人前で話すのに自信がつくアドラー心理学という本です。
私の4冊目の本になります。
全部あがり症の本をこれまで出してきました。
2017年に最初の本を出して、これを出したのが、今現在2020年の3月にこの本を出しました。
この本はどういう内容かということで、ご紹介したいと思うんですけれども、世の中には、人前で話すときにあがらないための方法であるとか、緊張しない方法とか、上手く話せる方法とか、こういうノウハウ本がごまんとあるわけですね。
色々な本あります。
人前で緊張しないでという風な本がある。
で、私の本、今回の本ですけれども、全くそういった本とは違う趣旨で書きました。
ノウハウは一切、あ、ちょこっとだけ書いてますよ。
ノウハウは基本的に一切書いていません。
人前であがらないためには、こういう風にすればいいっていう方法は、一切書いていない。
じゃあ、それが何でかっていうことなんですけど、それはアドラー心理学の切り口で書きましたが、一言でいうとあがり症というのは治そうとすればするほど、緊張しないようにしようとすればするほど、ますますあがってしまう病だと思っています。
これは、私自身が当事者体験、20年くらいあがり症でした。
で、これまで、1000人以上のあがり症の方に会ってきましたけれども、やっぱりどの人とっても、そういう風に私は思っています。
それが私のあがり症の結論です。
もちろん違う例はあるかもしれないけれども、私なりの結論。
だから、あがらないようにっていう方法、つまり、緊張しないように、声が震えないように、こういった方法じゃなくて、アドラー心理学でどうやっていけば良いかというのを書いたわけですね。
敵国の中で鎧を着る
一つには、あがり症の方というのは、まるで人前に立った時に、喋るときに、たとえ職場の同僚だったとしても、ゼミの仲間だったとしても、一言でいうと敵探しをしてしまうんですね。
敵っていうと過激ですけども、まるで自分が敵に囲まれているような、敵国の中にいるかのようにって、アドラーは百年くらい前の方なんですけど、敵国の中にいるかのように振舞ってしまうと言っています。
まさにそれに近い状態にあります。
じゃあ、なぜ敵国なのかっていうと、自分が人前で声が震えちゃったら、“あいつ、みっともねえやつだな”とか、バッサリ自分の人格が切られるような、馬鹿にされるみたいな想像をしてしまう。
うっかり、“え、え、えっとですね” なんて言ったら、“何あいつ、どもってんの。馬鹿じゃね?” みたいな感じで思われたら、すさまじく傷つく。
だから人前で失敗しちゃならないんですよ。
人前で失敗すると、もう、バサッ、バサって切られたような感覚を味わってしまう。
だから何をするかっていうと、鎧を着るんですよ。
切られないために。
どういう鎧を着るかっていうと、あがってませんっていう、表面だけでも良いんですよ。
表面だけでも、あがってない仮面をかぶる。
鎧をかぶって自分は大丈夫ですっていうことで、内面はドキドキしていたとしても表情にはできる限りその様子を出さないようにして、顔面が硬直したり、手が震えようなものなら馬鹿にされるから、震えないように力で必死に抑えたりする。
こうやって、表面だけの世界で生きています。
これはアドラー心理学では、優越コンプレックスというんですけど、優越な、ちゃんとできているフリをする。
という風に演じることによって、表面は一見まともに見えたとしても、内面の自分は苦しくなっちゃう。
これが、一番あがり症の生きづらさ。
一番かは分からないけど、これがすごい苦しいんですよ。
葛藤の病
これをどうしていけば良いかというと、別に優越なフリをする必要なんかないじゃんっていうことで、どういう風にすれば良いか。
自分が失敗したとしても、“大丈夫だよ” っていう感じの、敵じゃなくて味方感覚にしていけば、“何だよ、佐藤。失敗したからって気にするなよ。大丈夫だよ。俺たち仲間じゃねえか” みたいな。
本当にそういう風に思ってくれる、自分のことを本当に思ってくれる仲間って思えたら、失敗してもそれこそ家族くらいの関係になっちゃえば良い。
そういうのもまたアドラー心理学の一つなので、それが一つ。
あと、やっぱり人前は怖いから、どんどんどんどん逃げまくっちゃうんですよ。
逃げまくって逃げまくって、避けまくっていくと、何が起こるかっていうと、とにかくやっぱり人に否定されるのが怖いから、壁を作るんですよ。
壁を作るから一人になって安心を得るんだけど、ここには同時に孤独っていう苦しみがあったりする。
これがまた、たまらなく苦しい。
あがり症の人っていうのは、人が怖いけど、人が好きなんですよ。
人が苦手なんだけど、人とうまくやりたいんですよ。
人と喋るのが苦手なんだけど、人と喋りたいんですよ。
この、葛藤の病にある。
だから、こういう人が上手く喋るためには、やっぱり本質は生き方の改善なんですよね。
生き方の改善。
ライフスタイルを改善する
なぜか知らないけど、人前では恐怖を感じてしまって、人と壁を作ってしまうという、この根本的なパーソナリティーの根幹をどう改善していけばいいのか。
これは、アドラー心理学ではライフスタイルというんですけど、ライフスタイルを改善していくというのが、非常に大事になってきます。
同時にあがり症の人というのは、人がやるべきことは大きく言うと二つの側面があると思うんですよ。
一つはリスク管理。
例えば、原発作りましたということであれば、原発で事故らないようなためにどうしていけば良いかと、もしこういう風に起こったら大変だから、そのためにこういうのを用意しておこうという一つの方向性、リスク管理というもの。
もう一つの発想としては、より良くなっていくために、原発をもっと作って発電すれば、世の中素晴らしくなるんじゃないかという発想がある。
あがり症の方のタイプの発想っていうのは、リスク管理なんです。
全て。
自分が失敗しないために、自分が失敗しないために、自分が失敗しないために、どもらないために、あがらないためにということで、リスク管理で、マイナスを抑えることをすることで、自分を抑圧しまくるんですよ。
すると、本当の自分がいなくなって、自分が楽しいこと、自分が好きなことっていうのはなくなっちゃって、ベースに暗い感じの自分が出来上がっていく。
本当の自分じゃないんですよ、これ。
本当の自分っていうのは、あがり症を取っ払ったとしたら、あんなことやりたい、こんなことやりたいっていう、あらゆる人に、そういうものがあるはずなんです。
それがいなくなっちゃうから、こっちをどうやって取り戻していけるか、あれこれあれこれやっていくと、心が元気になるんですよ。
あがり症の方が生きづらいというのは、感情に皮膚みたいなものがなくて、生の感情で生きてるんですよ。
だから簡単に傷ついちゃう。
そうじゃなくて、その感情に対して、きちんとした厚い、白クマさんくらいの皮膚を作ることによって、ちょっとやそっとの寒さなり、傷つくなりっていうのに全然ぶれなくなってくる。
そういうのを作るためには、やっぱり自分が生き生き輝くことが非常に大事なんですよ。
そのための色々な方法、そういったことを書いたりしています。
で、あがり症っていうのは、やっぱり最悪というか、悪いのは、感情、緊張、不安を抑えなきゃ、抑えなきゃっていう風に、そこに意識すればするほど、逆に悪化していく傾向があるので、そこに対して逆にノータッチ。
タッチしないことで、こっちを見なくなれば、こっちが勝手に改善していく。
こっちを見なくて、いかに自分の色々なものを膨らましていけば良いのか。
そうしていくことで、あがり症を治さずして治す。
これが本当の意味での、私はあがり症の克服じゃないかなっていう風に思います。
勇気と共同体感覚を育む
そこに、この「勇気づけ」、「共同体感覚」というアドラー心理学の二つのキーワードがあります。
勇気があれば、色々なことに挑戦できる。
人との関わりにも、飛び込んでいけるわけです。
本当は行きたくなかったとしても。
で、人との関わりの場に行けば、そこで繋がりができる。
繋がり=共同体感覚。
人は、一人ではやっぱり無力なんですよ。
一人では弱い存在。
ところが仲間がいるとか、人間関係が良い、友達、親友がいるとか、自分の、もし可能なら、あがり症のことを分かってくれる人。
そういった色々な仲間を増やしていくことで、勇気がまた湧いてくる。
勇気が湧けば、人との関りに飛び込める。
この好循環を繰り返していくことで、気づいたらあがり症はどっかに行くんですよ。
あがり症っていうのは、しょせんその程度。
重すぎる悩みですけれども、治ったときっていうのは、あ、こんなもんなんだっていうことに気づいたりすることがある。
そのための方法を色々書いています。
そういった内容の、ノウハウ本じゃないです。
だから例えば皆さんの中で、“明日スピーチがあります。明日緊張しないで喋れるようになるにはどうしたら良いですか”、まあ、そういったものも一部には書いてますよ。
書いてますけども、それはしょせん付け焼刃の治り方にしか過ぎないんで。
どう生きていけば、あがり症を克服して幸せになれるのか。
そういった、人生についてのある種の本ですね。
是非、お勧めしますので、もし良かったら読んでみてください。
以上です。ありがとうございました。
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