筆箱史 1995年生まれ版
私(1995年生まれ)の筆箱歴を綴る。
この世代の周辺(1990〜2000年生まれ)と
その「親」世代なら、きっと一度は見たことのある文房具が出てくるだろう。
20〜30歳の方、
55〜65歳の方、
がノスタルジックな気分になるのかもしれない。
以下の順に書き連ねよう。
1でか筆箱
2ランバードのジッパー筆箱
3缶
4機能筆箱
5オシャれ筆箱
6筆箱無し
まとめ
1でか筆箱
小学校に入学すると、「人生で最も大きな」筆箱を手にする。人生で「最も身体の小さい」時期にである。
落とすとうるさいし、机上だとしても見て呉れがうるさい。
大抵、その時代に流行のアニメや戦隊モノのイラストが印刷されている。もしくはスポーツメーカーのロゴ。
小学校二年生になると、鉛筆の黒鉛と、消しかすが内部にこびりつく。ここで、面倒見の良い甘やかし親は買い替える選択へ、「モノを大事に使え」系の親はそのまま放置する。後者の筆箱はドンドン汚くなる。
女の子の筆箱を見ると、本当に整頓されているのを覚えている。しかも香り付き練り消しがまた良い匂いなのである。
勝手に触ると怒られる。ここで、「女って怖いんだ」と学ぶのだ。小学生時代男女の文房具論争で、人間関係というものを学んだような気がする。
2ランバードのジッパー筆箱
そしてランバード。義務教育段階にしかお目にかかることは無いであろう「ランバード」。どうやらミズノのスポーツシューズのラインだそうで。
この筆入何がいいって、軽い、静か、大容量の三拍子を実現してしまう。
大きなロボットみたいな筆箱は一体なんだったのかと思うほどである。
まず、授業に落としても音がしないのが良い。他人が落とすより、自分が落とした時がまぁ恥ずかしい。
みんなの目線が私に集中する。
布製の筆入を落としても、せいぜい生活班の連中がチラッと見る程度。クラス全体の話ではない。
また、女の子はこの時期から色ペンの本数が異常になる。大容量のせいだ。そして、勉強を目的にノートを取るのではなく、ノートを取ること自体が目的となる。
低学年の時に使ってた筆箱は鉛筆ホルダーが付いてるので、キャップが必要なかった。
しかし、この袋型にした暁には、裸の鉛筆ではバキバキに折れる。そこで、鉛筆キャップデビューである。
しかし、力加減がうまくいかないので、キャップ自身が割れる。
3缶
ロック式の缶ペンケースをご存じだろうか。
今回、柄は無地の写真にしているが、もちろん外装はキャラクターとか、スポーツメーカーとか、ナントカ戦隊とかいろいろある。
中は二段になっている。上段は大体鉛筆と消しゴム、下段は定規やボールペン、小型ハサミが住んでいる。
落とすと、本当にうるさい。
全ての筆箱の中でこの缶ペンケースが最もうるさいと思う。
しかも、落とした衝撃でロックの金具が外れた際には大惨事だ。
中身がすべてぶちまけられる。
私の時代、中学・高校生も使う筆箱だった。今はどうなんだろうか。
↓この蓋のウラにプリクラをベタベタ貼っているのをよく見ていた。
4機能筆箱
受験を控えると、どう効率的に学習するか考えるようになる。そして勉強道具の収納を工夫するようになる。
そこで、こういう工具箱みたいな筆箱に目が向く。
ポケットを大きくしたり、開くと中身が一覧できるようになっている。自立できるモデルもある。
中学高校になると、「お道具箱」を持たなくなる。ある程度大きなケースがないと、のりやハサミのありかに困ることになる。
工作系文具と筆記系文具にケースを分けてもってくる強者も現れる。
私は一括で入るコチラを選んだのだった。
また、私は当時、異常なほどシャープペンシルに固執していた。
ドクターグリップ新旧、アルファゲル太細、クルトガ、など30本以上保有していたように思う。
なかでも、一番ペン回ししやすかったのは、ドクターグリップの新バージョンだったように記憶する。
旧バージョンは長さがあって、しかも重かったように思う。
新版のクリップがついているヤツをクルクル回していた。クリップのない(新旧に挟まれたエメラルドのモノ)タイプは、重心が微妙に違うので私にとっては回しづらく感じていた。
グリップの部分をモミモミしていると、どんどん柔らかくなっていく。
メカニズムはわからないのだが、多分グリップのゴム組織が切れるのと、加水分解が同時に起こっているのかもしれない。真相はわからないけれども。
オイルでも塗ったかのようにグニュグニュになる。
5オシャ筆箱
ここから趣味趣向に合わせて、筆入観が枝分かれしてくる。
高校生までの筆入を使い続ける人、3本くらいしか入らない革製のコンパクトペンケースにする人、あえて無印の透明プラスチック筆入にする人、などなど。
よって、世代として共感するような内容というよりは、「私はこの道を選んだ」話だ。
一般に、社会人や大学生ともなると、機能はもちろんのこと、見栄えを気にするようになる。コンパクトでシンプルでおしゃれなもの。
そこで私が手にしたのはコレだった。
デルフォニックス。
オリーブ色を使っていた。機能性筆入の収納を踏襲しつつも、めちゃめちゃカッコいい。
工具箱というよりは、「調理道具入れ」「刃物入れ」といったイメージだろうか。
この時から、「良いものを長く使う」「経年変化を楽しむ」といった価値観が強くなっていたように思う。
だから革靴やアウター、鞄などは、出来るだけ良いものをヴィンテージで買うスタイルとなった。
この筆入にしても、いわゆる「帆布」のような素材が使われており、とても頑丈である。
たしか大学一年生から四年生まで使い続けたように思う。
大学院一年生の春に無くし、永遠のお別れとなった。
二代目デルフォニックスはブラックを選んだ。
今でも持っている。
6筆箱無し
5章ではデルフォニックスを紹介したが、
今の私は何も持たない。
鞄と服のポケットに、付箋、鉛筆2本、消しゴムを突っ込むだけ。
その三つで、事足りる。
もしもの時使えるように、車にハサミとボールペンを仕込んである。
ちなみに削るのに使う道具は、カッターである。
いわゆる「鉛筆削り」は芯先が鋭利になりすぎて、すぐに折れる。自分で芯の長さと太さを調整できるカッターが良いことに気づいた。
さらに、カッターで削っている時間が精神統一にもなり、中々良い時間なのである。
最近の私の筆記目的は、本に書き込みをするだけである。
ノートを取る行為は、完全にパソコンに代替されてしまった。
まとめ
いかがだっただろうか。一つでも使ったことのある筆入はあっただろうか。
筆入の変遷は住む地域によって違いがあるのだろうか?との疑問が湧いてきた。
筆入だけに焦点を絞って、北海道から沖縄まで調査するのも面白そうだ。
ぜひコメント欄に、おすすめの筆入を書いてほしい。