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タイ&マレーシア旅 その6

マラッカからジョボールバルまでの高速バスのお値段は、20リンギット・およそ700円ぐらい。
これは鉄道よりも少し安いお値段であり、しかも圧倒的に速い。
およそ3時間で、鉄道の場合の約半分だ。
しかも車内に入ってみると、3列シートの快適な座席。この区間で鉄道を利用するのはよほど酔狂な人なのだろうなと、快適な席で単調な景色を眺めながら思った。
実際、深夜特急でもクアラルンプール~マラッカ~シンガポールの移動はバス・・・に乗ることができずに、乗合タクシーに乗っている。


思いがけずに17時過ぎ、ジョボールバルに到着。路線バスで今日の宿まで難なく移動することが出来た。
今日の宿はゲストハウス。昨日までの快適なホテルからは一気に変わった。
とはいえ、男一人旅なら充分な設備で、値段の割に綺麗にリフォームされたお家であるのにも好感が持てる。


宿の近くにあるカレー屋さん的なところで夜ご飯を食べ、まだ明るいし駅近くの夜市へと行ってみることにする。
ジョボールバルは起伏のある街のようで、元々は海の近くまでジャングルが迫っていた地形だったのかもしれない。
今は高層ビルやショッピングモールも多く、近代的な都市の様相。狭い海峡を橋で渡ればシンガポール。言うまでもない経済大国のベッドタウン的な役割も果たしているのだろう。
どうやら、マレー鉄道の高速化改良工事や、シンガポールとのアクセス鉄道の新線も作られているらしく、まだまだ駅周辺は工事が盛んにおこなわれていた。


夜市をブラブラと歩いてみるが、お土産品や衣類が多く、あまり食べ物のバリエーションが少ない。さっき食べておいて良かったなと思う。
デザートにココナッツミルクのアイスを食べ、宿へ戻ることに。
だいぶ歩いて疲れたので、帰り道はバスで帰ろうかと思ったが、なぜか全然バスが来ない。反対方面のバスは沢山来るのに。
結局帰り道も長々と歩くことになり、今日はどうも路線バスと相性が良くない日になった。


ジョボールバルの朝は、打ち付ける雨の音で目覚める。
屋根のあるリビングスペースへ行くと、見事に土砂降りの雨が降り続いている。一応、雨雲レーダーで確認してみたら、今日はほぼ一日雨が降るっぽい予報。スコール的に一時的に降るのであれば、やむのを待てばいいが、そうもいかない。
サービスのコーヒーでも飲みながら、とりあえず気長に待つ。
チェックアウトの時間は12時だし、そのあともリビングなら居ても構わないらしいので、居場所がないわけではない。

しかし、みんなそれぞれスマホの画面に夢中だったりもするので、なかなか旅人同士の会話…という雰囲気にもならないのが不思議だ。
まあ、僕もちょっとノンビリしたい気分だったので、ぼんやりと半日を過ごす。

昼頃、ちょっと雨が弱まってきた。
こういう時はグルメに走るのもアリだなと思っていたので、ちょっと目を付けていたカフェにいってみることにする。
大人気で行列間違いなしなお店らしいが、こんな雨だし多少は空いているだろうと思う。
バスで少し郊外?の雰囲気のところへ。
最寄りのバス停で降りると、再び激しい雨が。濡れネズミになりながら、直ぐ近くのカフェへ。
しかし着いてみて唖然。店の外まで行列ができており、回転も悪いだろうから、2時間ほどは待ちを覚悟しなければいけなさそう。
急ぐ旅でもないが、ファミリーやカップルが僕以外のすべて。あっさりと引き返し、とりあえず手ごろなちょっとよさげな食堂に入り、お昼ご飯とした。


少しずつ雨も弱くなってきたので、近くのショッピングモールに行ってみる。天気が悪いときは、現地のショッピングモールも一つの観光手段だ。
ここに来たのはもう一つ理由があり、リンギット→タイバーツへの両替だ。
モールの中の両替屋が手数料が安いという情報もあり、ちょっと訪れてみることに。捜し歩いてようやく見つけたものの、結局バーツが今はないんだということで両替できず。まあ駅にも両替屋があるからいいか。

雨のお陰で、履いていた足袋がずぶ濡れ。やはりサンダルは必須だなと思ったので、ちょっと良さげなサンダルをゲットし、モールを出発。このころにはもう雨も上がっていた。


到着したのはJBセントラル駅。今夜はここから夜行列車に乗車する。まだまだ時間はタップリあるので、ここでまずはリンギット→バーツへの両替を試みる。良いレートっぽいお店で両替。何件か並んでいても、レートに差があるのは興味深い。
両替を済ませたところで、謎の男から声を掛けられる。気さくな感じで話しかけてくるが、なんか嫌な雰囲気。両替所から出てくる旅行者はお金を持っている。それを狙われているのかもしれないなと思ったその時、おもむろに手の傷口を見せてくる。怪しさ満点だ。
取り敢えず距離を取り、じゃあね。と刺激しないようにその場を立ち去る。所持品には気をつけていたので、特に被害はなかった。
話には聞いていたが、やはり両替したあとは気を付けないといけない。


今日はマレーシア最終夜。そういえば、マレーシアの焼き鳥・サテーを食べてないなと気づき、出していそうなお店を検索して向かう。
サテーはまさかの5本セットでしか出してくれなかったが、ナシゴレンとともに味わう。


早めに待合所へ向かう。でっかい待合室に、旅行者がそれなりに待っている。また、シンガポールへのシャトル列車も間もなく発車のようで、そちらの列も長蛇の列だ。
実は、この日にシンガポールへ列車で往復してみようと思っていたのだが、シャトル列車の指定席は数日前には殆どの便で満席。早朝便ぐらいしか選択肢がなかったので、諦めたのだ。
客車列車で運行されるシャトル列車も、恐らくまもなく無くなってしまう貴重な存在。我が列車の乗車の改札が始まったタイミングで、丁度まだ、隣のホームに止まっていたので、少しだけ様子を見ることが出来た。
よく見ると立ち席で乗っている人もおり、もしかしたら一部立ち乗りも認められているのか?もしくは他の人の相席を嫌っているだけなのか。真相はわからない。

ここからマレーシア最後の夜行列車の旅が始まる。トゥンバへの夜行列車は、およそ16時間の旅。これもこの旅でとても楽しみにしていた列車の一つである。

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