地獄の塩谷100キロウォークへのチャレンジ!(2回目)その11
【縄文の風を感じる】
鋸南の2日目。
エアルポルトの住人であり管理人である、縄文アーティストを名乗るまさやんが作った、竪穴式住居を見せてもらいに行く。
前回来た時はまだまだ完成していなかったので、どのような姿になっているのか楽しみだ。
田んぼのあぜ道を歩いて行くと、まるで縄文時代にタイムスリップしたかのように、竪穴式住居が見えてくる。
持ってきた焚き付けの薪で手早く着火し、室内で焚火を始める。
といっても、茅の隙間から空気は出入り自由なので、煙にいぶされることはない。
香ばしい匂いを嗅ぎながら、ノンビリと火を眺める時間が贅沢だ。
縄文時代は、こうして家族で団欒していたのだろうか?
もう既に完成から1年以上が経過しているが、少しずつ屋根が劣化してきているのは、やはり毎日焚火をしているわけではないので、湿気で痛みやすいのだとか。虫も使っていないと付きやすいだろう。
そう考えると、家の中で焚火をするというのはよく考えられた仕組みだなと感心する。
【パクチー銀行本店】
昨日もサラッと出ていたが、パクチー銀行ってなんだ!と思われる方もいるだろう。
パクチー銀行とは、パクチーをこよなく愛し、パクチーの普及に邁進して世界初のパクチー料理専門店をオープンした、佐谷恭さんが2007年に作ったありえない?銀行システムだ。
そこにはお金のやりとりは存在しない。
パクチーの種を融資し、その種を育ててもらう。そして、パクチーの種が収穫されて余ったら、増やして返す。もしくは他の人に融資して育ててもらう。ただ、これは義務ではない。
A余ったT種をM撒こう!ということで、ATMという考え方だ。
なら、パクチーの種を育ててね!と差し上げればいいじゃないか?と思う所だが、それだと実際に育てるという人は少ないと恭さんは言う。そこで融資する!という表現にすることで、実際に育てる実行者が格段に増えたらしい。
そのパクチー銀行の実店舗をとうとう、この鋸南町で実現させてしまったのだ。
パクチー銀行について、詳しくはコチラへ
https://www.paxi.coffee/
僕らが来るのに合わせて、パクチー銀行は本日、臨時営業!
お昼ご飯は猪パク。パクチーハウス時代は、ヤンパクといって、ラム肉とパクチーの料理が名物になっていた。
しかし、パクチーとラム肉の相性が最高だ!と思っていた恭さんの先入観を覆したのも、この鋸南町なのだそう。
このあたりも獣害があり、農作物を食べてしまう猪。
しかし、その猪肉がパクチーと最高に合う!ということに気付き、このパクチー銀行では気まぐれで提供しているのだそうだ。
昼食後は、恭さんがコーヒーを飲み始めて2周年ということで、記念の生配信トークライブ!なんと僕をファシリテーターに任命していただき、こだわりのパクチーコーヒーを頂きながら、インタビューをすすめる。
元々、恭さんはビールのイメージしかなかった。走る途中にも飲むぐらいだ。それがいつの間にかコーヒーを飲み始めたのは、美味しく淹れたコーヒーに出会ったことからだそう。
このパクチー銀行でもコーヒーを提供しており、恭さんの繋がりの方がブレンドしているコーヒーを除く、コーヒー豆のラインナップは全て西経89度線が通る国(中米がメイン)からチョイスしているのだそう。
鋸南町にはカフェと呼べるところが少なく、ここをスタートしてから、地域の人や、偶然、保田駅前に降り立った人、またこれから電車に乗るけれど、時間を持て余している人など、様々な人が訪れて、繋がりの幅が広がったらしい。
中にはちょっと待ち時間にコーヒー一杯…と入ってきた人が、結局そのままエアルポルトの飲み会に参加し、泊まっていくということもあったとか。
丁度この時も、トレッキングを終えたらしきアメリカ人が二人、一杯呑みに来たり、近所でゲストハウスを始めている人がふらりと挨拶に寄ったり。予告も殆どしていないけど、開けていればなにかしら出会いがある!
旅日記もそろそろ纏めたいので、パクティーを頂きながらコワーキングをスタート。たまには旅先でコワーキングというのもいいものだ。カタカタパソコン作業しつつ、雑談も。
ひょんなことから2月から家族となった、ウチのネコの話になる。
今回の旅では、実家の父に世話をして貰っているものの、もともと旅をすることが生活の一部のような僕たちということもあり、ゆくゆくはネコと共に旅をしていきたいと思っている。
ネコは旅には不向きということもあり、一般的ではないものの、ある意味、新しいスタイルの旅の形。まだまだペット同伴が出来るようなゲストハウスは少なく、もう少しペット(ネコ)と暮らしている人の旅の選択肢が増えてもいいのではないか?と思う。
そんな話をしていたら、ネコと旅することをもっと発信しよう!ということで、即席で協会を立ち上げることになった。
その名も「JICA」JAPAN INTERNATIONAL CATTRAVEL A日本インターナショナルネコ旅協会の略だ。
理事長はウメとリュウ。僕らホニャラ夫妻の他、恭さんも面白がって理事として就任。
さてさて、どのような活動になっていくのか?楽しみだ。
こんなバカげた発想が生まれるのも、それぞれ違うことをしていても、他の人と一緒に仕事をするコワーキングの醍醐味だろう。結局その話をするのに夢中になり、あまり筆は進まなかったが(笑)
ここ、パクチー銀行にはもう一つ面白いシステムというか、仕掛けがある。「ペイフォワードコーヒーチケット」自分のためだけでなく、誰でも使うことができる、または特定の条件に当てはまる誰かのために置いておくコーヒーチケットだ。
ある意味、お金を介さない循環をスタートさせる取り組みかもしれない。
これは面白そうだ!と思い、無条件でも良いのだが、こんな条件を設定させてもらった。
「ヒゲの長さ30cm以上」又は「ホニャラノイエに来るか来た人」
この瞬間、古民家宿ホニャラノイエの宿泊に、千葉県の田舎町のコーヒーチケットが含まれるようになった。興味がある方は是非行って使ってみてほしい。
【鋸山プチハイク】
そして夕方。恭さんと共に、鋸山へと向かう。100kmのダメージもあるし流石にハードだからな…と思っていたが、鋸南に来た人はほぼ強制的に?案内しているというところだけでも、ピンポイントで訪れることにした。
今までは、日本寺を通過しての鋸山展望台付近は行ったことはあるが、こちらは初めて。
恭さんが、フェリーを降りてから、鋸山を越えて山道を行くとんでもない通勤途中で発見した絶景ポイントだ。
途中まではクルマで楽をする。舗装されていない林道に入ったところに止めてそこからは徒歩。
すると、目の前には土砂崩れが…ここを越えるの??
ビックリしたが、何度もここを通っているという恭さんが踏み固めており,
案外安全に通ることができた。
途中、切通しになっているところなどを通過し、20分少々登ったところで、鋸山照前展望台に到着。
今は採らなくなった採石場に溜まった水が、光の当たり具合によってさまざまな表情を見せるのだという。
恭さんのおススメとしては、朝陽が昇るころ。その時が絶景になるのだとか。照前展望台とは、何を隠そう恭さんが付けた名前。
知られておらず、誰もいない穴場ポイント。
恭さんに教えてもらわなければ、知ることのできない景色を見ることができた。
帰り道、逆方向に向かう女性とすれ違う。実は展望台に向かうときにも、日本寺・鋸山山頂方面から降りて来てすれ違っていた。縦走して保田へと抜けようとしているのだろう。
恭さんが声を掛けると、やはり土砂崩れでやむを得ず来た道を戻ろうとしていたところ。僕たちも通ってきたので大丈夫ですよ!と安心してもらい、一緒に再び難所を越える。
時刻はもう17時ごろ。
これから戻っていたら途中で暗くなるのは必至だし、助けることができてよかった。
こうして鋸山のプチ探検が終わった。
夕陽の時間までの間に保田駅に戻ったら、駅長ネコが!えみポンが座ったら、その膝の上に載ってきてご満悦だ。