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夏の18きっぷ東北一人旅(その10)

爆睡して、8時過ぎに目覚める。
昨夜、今日の予定をいろいろ考えた。今日の目的地・新潟県の五泉市は、直線距離で見るとそう大した距離ではないのだが、鉄道で行こうとするとちょっと不便。しかも、最短ルートとなる米坂線の一部区間が災害のためバス代行運転となっている。
鉄道にこだわるなら福島・郡山経由となるのだが、これまた時間がかかりすぎる。特に、米沢~福島間がネック。仙山線で仙台に戻るのも癪だし…
ということで、結局米坂線経由で向かうことにした。途中下車を考慮しなければ、11時ぐらいの列車で充分間に合うからゆっくりできる。

もう一つ懸念があった。それは台風の接近である。
進路的に影響があるかも…と思っていたが、この日は関東に上陸する模様。そんなに勢力も強くなさそうだし、新潟方面に抜けてしまえば問題ないと判断。首都圏は計画運休が行われるようだが、これから乗る予定の路線はどうやら大丈夫そうだ。

昨日が遅かったこともあり、まだ誰も起きてこない…と思ったら、外からニャーニャー鳴き声が。ミンタロハット看板ネコのなっちゃんだ。
そういえば昨日は姿が見えず、部屋に入った後ヒデオさんが外を探している足音が聞こえたな。
長いこと留守にしていたので、拗ねて姿をくらましていたらしい。
ドアを開けると当然のようにスッと入ってきた。

ヒデオさんのご厚意でクルマを貸していただき、温泉へ。山形に来たら必ずと言っていいほど入っている、百目鬼温泉だ。
ここの気持ちよさは抜群。開放感ある露天風呂が、特によい。
そういえば、今回の旅で露天風呂に入るのはこれが唯一になりそうだな…と気が付く。

サッパリして帰ると、もうみんなも起きてきた。
ボチボチ出発か?と思ったら、ヒデオさんがお昼ご飯を作ってくれる。駅まで送るから、食べていきな!とのお言葉に甘えて、ヒデオさんお手製のまかないカレーを軽めに頂いて出発だ。

奥羽本線で米沢へ。乗り換えの間に、米沢名物の駅弁・牛肉どまんなか弁当をゲット。まだ食べたことはなく、この機会に米坂線車内で頂こうとの目算だ。


途中の今泉行きは1両でも余裕のある車内。牛肉がたっぷり詰まったお弁当はなかなかボリュームがあり、先ほどカレーを食べたばかりということもあり、腹いっぱいを超える。


それにしても、米沢~坂町を往復するだけになったこの車両、被災区間と新幹線規格の標準軌路線に包囲されて、閉じ込められる形になっている。
検査とかどうするんや?と思ったら、やはりトレーラーでわざわざ新津へと運んで車両を入れ替えているらしい。大変なことだ。

今泉駅に到着し、ここで代行バスに乗り換えだ。少し小さめの小型観光バスに乗り換え、先頭の座席を確保することが出来た。
なんとUSB充電も可能なバス、快適性では鉄道より勝るか。
トイレ希望の方はお申し付けくださいとのアナウンスも。行きたくなったらどこかで立ち寄ってくれるのだろうか?



発車してまもなく、米坂線の踏切を渡る。特に荒れた様子もなく、あれ?もうこの区間は走っていないハズ…と思ったら、地図を見てみると、今泉から見て坂町側で、しばらく米坂線と第三セクターのフラワー長井線が共用している模様。

代行バスあるあるで、大きく迂回しながら丹念に駅前に立ち寄る。
そのためやはり時間を大きくロスし、全線で以前なら2時間ほどで走破していたのが3時間近くかかる。
なかなか早期の復旧は難しいのがローカル線の苦しさ。地元にも負担をもとめるよう。途中、まだまだ災害の痕跡が残るのを車窓から認め、さてどうなることやら。

途中の小国駅では停車時間調整があり、ちょうどよい休憩タイムでもある。しっかり駅員さんがいて、切符の発売も行っているのだろう。列車が来ない駅に勤務というのも、不思議な気分なのだろうかと思う。

2時間ほどのバスの旅を終え、坂町に到着。暫し待つと、新潟経由の長岡行き列車がやってきた。


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