タイ&マレーシア旅 その11
チュムポーンに到着し、予約してあったホステルへと向かう。
この町も、沢木耕太郎が訪れた町ではあるのだが、確か「何もない田舎町」という風に表現されていたが、駅から少し離れた中心街はそれなりに地方の中核都市として栄えている雰囲気も。
夜市もやっているので、後で行ってみようか。
ちょっとノドがイガイガするのは、おそらくディーゼル機関車から出る煤煙が影響しているのだろう。
シャワーを浴びてサッパリし、タオルで身体を拭いていると、少しまだ茶色く汚れてしまう。鉄粉も混じっているのか、なかなかしつこい汚れだ。
お部屋の入り口は和風な雰囲気。MIKIハウスという名前もあり、もしかしたらオーナーは日本人なのか?しかし、スタッフさんはタイ人で、英語もちょっと怪しいぐらい。しかし、一生懸命な感じはするので、もしかしたら最近できたばかりなのかもしれない。
少しベッドで一休みして、夜ご飯を食べに行く。その前にまずはマッサージだ。
フロントのお姉さんに聞いてみたら、こっちに行くとあるよ!とアバウトに教えて貰う。まあ、何とかなるだろう。
ブラブラと歩いていると、小皿が並んでいるお店を発見。
中華っぽい感じではあるが、これはアリだな!と直感し、まずは軽く食べるかと幾つかお皿をチョイスして店内に入る。
この後にマッサージを受けたいので、軽めにしておいた。
小腹を満たして歩いていると、マッサージ屋さん発見!実は、中華屋さんの前にももう一軒のマッサージ屋さんを見つけていたのだが、ちょっと微妙な雰囲気だったこともあり、パスしていた。
1時間300バーツで、ハジャイとあまり値段が変わらない。
田舎は物価が安いからマッサージも・・・と思っていたら、そうでもないのかな?
タイ古式マッサージで疲れを癒し、夜市へと繰り出す。
ここは海が近いこともあるのか、海鮮の屋台も目立つ。
さっき見た時はもう少し賑わっていたように感じたが、20時を過ぎたこの時点で、だいぶ客足は減ってきている。これは早めに食べないと、食いっぱぐれそうな雰囲気を感じ、海鮮お好み焼き的なものを提供するお店へ。
僕の前のお客さんは、カキ入りお好み焼きを注文しており、旨そうだな…と思ったが、最初のタイ旅の最終日、カキの卵炒め的なモノを食べたら、帰国便の中で下った経験もあり、ちょっと自重。
手堅いイカのお好み焼きも、とても美味しかった。
翌朝、駅前のカフェでコーヒー(甘くないヤツ)をゲットし、ランスアン発・バンコク・トンブリ行きの列車に乗車する。
行こうと思えば、この列車で一気にバンコクを目指すことが出来る範囲にやってきたことになる。長かったタイ国鉄鈍行列車の旅も、終わりが近づいてきたのを感じる。
ここからは、一気に鉄道の雰囲気が変化する。
というのも、タイ国鉄の近代化工事が行われた区間に入り、このチュムポーン駅を含めてこの先の殆どの駅は、高床式ホームが完成。
(一部の駅では仮設の低床ホームを使っていた)
駅舎を見ると、新しい統一された形式の駅舎に、自動改札機がまだカバーを掛けた状態で使用開始を待っている状態だ。
切符にはQRコードが添付されているので、そのうちにQRコードをかざして乗車することになるのかもしれない。
ここからは複線化も完成しており、これまでのように行き違いで待たされるようなことはない。しかし、なぜかこの普通列車、チュムポーン駅でなかなか発車せず、10分ほど遅れて出発。
なぜだろう??と思ったが、じきにその理由が分かった。
この運転士さん、多分なかなかの飛ばし屋さん。駅に停車するときも思いっきりブレーキを掛けている感じがするので、ジワジワと遅れ時分が戻っていく。
結局途中の駅でほぼ定刻に戻る。元々余裕を持ったダイヤだから、多少遅れても直ぐに取り戻す!という計算だったのだろう。もしかしたら朝ご飯でも食べていたのかも。
沿線風景もガラリと変わる。
これまでは線路際まで牛が放牧されていたり、森や人家も線路際まであったりしたのだが、3複線ぐらいが敷けそうな土地が確保されて、境界には柵が。視界が開けたような感じが続いていく。
とはいえ、時折除草の為か、牛が草を食む姿も見られるが、昨日まで程ではない。
立体交差化も進められている。とはいえ線路を高架化するのではなく、沿線の道路を高架橋に上げたり、地下道としていたり。
国鉄敷地内で完結するためか、大きく͡コの字を描いて迂回させているのが特徴的だ。簡単に書くと下図の通り。元々、直進で道路が通っていた部分には、踏切があった跡が残っていた。
この区間で、初めて海が見える。このタイ国鉄南線、マレー半島を南下するイメージに反して、車窓に海が見える区間は殆ど無く、この区間が唯一と言っていいだろう。
また南部へ向かう旅行者は、この辺りは深夜時間帯に寝台特急や急行などで駆け抜けることになり、そういった意味でも貴重な車窓風景だ。
昨日の長時間乗車に比べてみると、この列車はあっという間に感じる。
市街地部分が高架化された区間に入り、車窓にリゾートホテルなどが目立つようになると、もう間もなくフアヒンに到着だ。