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阪神タイガース!アレのアレへの道 その3
人の流れとは完全に逆方向へ向かい、なんばへ到着。
少しまだ早いので、ブラブラしてから昨日と同じスポーツバーへ。
入ってみると、昨日よりは少ない感じ。
昨日は同じぐらいの時間に来たら、入場待ちの大行列になっていたが、まだ今日は落ち着いている感じ。
着席するには予約必須だったはずだが、今日は一部空席もあり、先着順で座れる席もまだ少し、空いていた。
立ちっぱなしで体力を消耗するのは昨日の経験で分かっているので、まずはちょっと座って、体力を温存。徐々に増えてきたところで、盛り上がるゾーンに移動しようとしたら、ちょうど昨日、同席していた方を見かけたので、ご一緒させて貰うことに。
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なんと、すぐ後ろに僕に匹敵するボリュームの髭の持ち主が!
親近感が沸き、思わず声を掛ける。なんでも半年ほど伸ばしているらしい。これはかなり将来有望な髭だ。
さあプレイボール。阪神の今日の先発は青柳、対するオリックスは宮崎。
第2戦で宮崎にはしっかりと抑えられたし、青柳は開幕投手には指名されたものの、今シーズンは全体的に安定感が悪く、打ち込まれるシーンや不調で2軍落ちするシーンも目立っていた。そのためクライマックスシリーズや日本シリーズでは、ここまで一切出番がなく、最後に出番が回ってきたのだ。
これは旗色が悪い…というのを、他の阪神ファンも感じているのだろうか?昨日ほどの盛り上がりがないような気がする。
しかし青柳が好調なピッチングを続ける。さらに迎えた4回、ヒットと大山へのデッドボールから1.2塁のチャンスにバッターは、昨日の唯一の得点となるホームランを打ったノイジーだ。ここで何とか1点!と、チャンスマーチを熱唱しながら大盛り上がり。
すると…なんと綺麗に打ち上げた打球はそのまま余裕でスタンドインする3ランホームラン!
沸いた!そして、これはいけるかも!という雰囲気が会場を包む。
いや、まだ3点差、これぐらいならまだわからない。
しかし、その次の回。とどめを刺すかのように、今シーズンを象徴するかのような、森下・大山・ノイジーの3連続タイムリーで鮮やかに3点を追加。
青柳は依然として安定感抜群だし、これはもう決まりでしょう。
5回に迎えたピンチもワンポイントリリーフの島本で回避。6回・7回・8回は本来は先発の伊藤将司がしっかり押さえて、反撃を許さない。
恐らく青柳の不調にも備えてロングリリーフも見据えた配置だったのだろう。
8回までヒットを許しながらも無得点に抑えた青柳―島本―伊藤のリレーが素晴らしかった。
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9回表にはダメにダメを押す森下のタイムリーで1点を追加し、いよいよ最後の守り。
桐敷がヒットを許すも、ダブルプレーでツーアウト。
もうみんな、画面に釘付け。ストライク一球に大歓声、ボール球にああー…というため息と、大変だ。
いよいよアウト一つ。
まだや!と思いつつも、ちょっと目に涙が浮かぶ。
ここで守護神・岩崎登場。
もしかしたらこの9回、桐敷が出てきたところで、桐敷―湯浅又は岩貞―岩崎と1人1殺の3人リレーを完成させるのか?と予想していたので、想定の範囲内だ。ダブルプレーで一人出てくるピッチャーが減ったのだろう。
あと一人!最後の全力応援で会場が揺れる。
しかし次の瞬間…KYな頓宮のソロホームランに微妙な空気が流れる。
まあこういった時にポーンと打たれるのもご愛敬か。最終的に勝てる範囲に抑えることが出来るのが岩崎なのだ。
激闘を繰り広げたオリックスにもささやかなお土産を差し上げたと理解し、気を取り直して最後の打者に向かう。
打ち上げた打球は、レフトを守る、日本シリーズ6戦・7戦のヒーロー、ノイジーのグラブに。
その瞬間、阪神タイガースの2023年、38年ぶりの日本一が決まった。
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僕はもちろん、初めての歓喜の瞬間。会場全員がもう狂喜乱舞。岡田監督の勝利インタビューが終わったところで中継が終了。まだまだ興奮冷めやらぬところ、近くにいた方は、これから道頓堀にいくらしい。僕も少しだけ見に行ってみようかと、とりあえず会場を出る。
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外に出ると、人通りが非常に多い。日曜ということもあるが、阪神のユニフォーム姿が多いのは、やはりその瞬間を大阪で迎えようという人や、近くで見ていた人が道頓堀に集結し始めているのだろう。
道行く人とハイタッチしたりしつつ、警備隊の誘導に従い道頓堀方面へ。噂には聞いていたが、御堂筋からは見ることが出来ないようにしっかり目隠し。他の通りも進入禁止や一方通行にしたりして、なかなかこれは時間が掛かりそう。
少しだけ雰囲気を味わうものの、早めに切り上げてナオキさんの家で優勝特番もぜひ見たい。多分0時過ぎにはビールかけが始まるので、あまり遅くなり過ぎないよう気をつけよう。
時々ネット記事などで「道頓堀で騒いでいるのはホンモノの阪神ファンじゃない!ファンなら球場に行くか、自宅で大人しく見るもの」という意見も見る。
もちろん、そういったスタイルもあっていいと思うが、別にそれだけではないだろうと思う。
みんなで観戦したい!とか、優勝の独特の空気感、一体感を味わいたいとか。TVの前で見ているだけでは味わえない空気感というのはやはり現地にはある。
道頓堀に飛び込んだり、周りに迷惑を掛けたりするのを肯定はしないが、ちょっとお祭り騒ぎをするぐらいはいいんじゃないか?それも含めて阪神ファンの多様性だと思う。
まあ、ときどきTVで中継をされているような、スマホの画面で歌詞を見ながら六甲おろしを歌うなどという輩は、完全なるお祭り騒ぎしたいだけのにわか。(ファンではない)一回勉強しなおしてこいと言いたいが。
丁度駅のホームで、どうでした!?と夫婦の方から聞かれる。決めましたよ!!と嬉しい報告をして、少しお話。元々は出身が兵庫で、今はアメリカ在住。今回は旅で日本を廻っているのだとか。遠くに住んでいると、やはり阪神の日本一はとてもうれしいことだろう。こうしていろんな人と喜びを分かち合えるのも、大阪ならでは、そして現地ならではの空気感だ。
ドーム前からは大勢の人が乗り込んでくる。殆どがオリックスファン。多分阪神ファンは今頃、まだまだ大騒ぎの途中だろう。静かな空気の中、僕も神妙に過ごす。
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尼崎での乗り換えで、直ぐの接続で来たのは、甲子園行き急行。
次の直通特急(甲子園には止まらない)をみんなが待つ中、いや、やはり甲子園は通過できないでしょ!とそそくさと乗り込む。
甲子園のホームに降り立つと、まだ残っていたファンがホームで小さく騒ぎ、駅員が鎮めるというシーンも見る。駅員さんも、内心は嬉しいだろうに(思い込み?)ご苦労様なことだ。
ふと思いつき、改札口の駅員さんにぜひ泊まり勤務の皆さんでお召し上がりください!と、パインアメを1袋、進呈する。
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駅前広場は騒いでいる人もおらず、もう閑散。しかしそこらにまだ、ポツリポツリと阪神ファンがまだ余韻を味わっている。
警備員がまだ様子を見守っており、多分集まって騒ごうとしたら注意されるのだろう。
そんな様子を確認してノンビリと歩き、再び列車に乗った。
西宮駅からお家に向かって歩く間に、まだ空いている寿司屋を見つけて、持ち帰り用に少し奮発して購入。これから長丁場の特番に備えての腹ごしらえだ。
小さい声で「バモース」と叫びながらナオキさん宅に帰宅。
明日も早いのでということで、既に就寝されているし、起こさないよう静々と支度。
TVをつけたら丁度共同記者会見が始まったところ。よかった。ビールかけはまだこの後のようだ。
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暫く見ていたら、「腹減った!!」と起きだしてきたナオキさん。あまり興味がないとはいえ、やはり地元球団の日本一は興奮するものらしい。
そういえば、阪神のロゴに似たGPSアートを描いて日本一を描いてくれた。
目の部分が甲子園なのがまたニクイ作品だ。
大騒ぎのビールかけからの、一旦日本シリーズの名場面を特集した上で選手別のインタビューと続く。一年間の重圧から解放されたような選手たちの表情を見ていると、ああ…本当におつかれさま!という思い。改めて優勝したんだな~という実感が湧いてきた。