見出し画像

ネジタケ(ショートショート)

 各地のスクラップ置き場に生えてくるキノコがあるらしく、その名前をネジタケという。
 スクラップの中には、そのキノコを成長させるために必要な成分が豊富に含まれており、そのおかげでネジタケはたくさん生えることができるのだ。
 まるで本物のネジのように、回転しながら生長する。
 つまり、反時計回りに回転しながら伸びていくのだ。実際のネジを抜くときと同じ回転の向き。
 さらに生長しながら、軸部分にネジ山が形成されていき、そのネジ山の間隔ごとに、ミリネジタケやインチネジタケと呼び名も変わる。
 また、スクラップの素材によっても、生長するキノコを構成する成分が変わってくるため、ネジタケをコレクションしているマニアもいるのだという。
 どこかの世界では、このネジタケを実際の機械や構造物に用いることがあるのだという。


いいなと思ったら応援しよう!