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太陽光の使い方(ショートショート)
サンドイッチに太陽光を挟むとき、基本的には二種類の方法が使われる。
一つは具材にかけるソースとして。もう一つは具材そのものとして。
ただし、具材として使用する場合、陽光そのものをパンに挟むことは難しいので、ゼラチンのような役割を持つもので固める必要がある。
まだ陽が昇りきっていない朝の、水色の空気の中で食べる太陽光のサンドイッチは、温かいオレンジ色に発光をしていて、部屋の空気そのものが、その温度に包まれているようになる。
水色とオレンジ色の対比が見た目にも美しく、羽毛布団パンに合わせて食べると、よりその温もりの優しさや心地よさを感じることができるだろう。
スクランブル陽光は、フライパンの上に落とした陽光をさいばしで混ぜて作る。そこにマドロネーズを加えるのがいい。
マドロネーズは、卵黄の代わりに微睡みを乳化剤にして作ったマヨネーズで、口当たりが優しい。
今の世知辛い世の中で、朝食だけは温かく優しいサンドイッチを食べ、一日を始めるのもいいかもしれない。