成長優先か財政再建優先かという見方では見誤る

この問題の焦点は、安倍内閣で財政収支を大きく改善してくれれば、次の内閣はそれだけ楽になる半面、安倍内閣では財政運営の制約がきつくなる。そういう綱引きとみるとわかりやすい。成長優先か財政再建優先かで意見の対立を助長しても意味がない。

今夏にも取りまとめられる「骨太方針2018」で再設定される予定の基礎的財政収支黒字化目標は、安倍内閣の間には達成できず次の内閣に宿題として残される。それは、安倍内閣の間にどれだけ財政収支を改善するか、という問題と直結する。自らの政権で足かせをはめられたくないという思いと、その先を担おうとする者がその時のフリーハンドを得たいという思いとが交錯する。

安倍内閣の間に財政収支をできるだけ改善しておいてくれれば後が楽になるという意味の「財政再建」を支持する向きは、それなりの強さであるだろう。


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