綾瀬──凶悪殺人事件の地はいま
東京の北東部に位置する足立区といえば、治安の悪い場所として誰もが眉をひそめる、文字通りの東京の鬼門である。そのイメージを決定づけたのが、昭和の終わりに綾瀬で起こった女子高生監禁殺人事件であろう。
詳細に言及するのも憚られるが、事件のあらましは、不良少年のグループが1988年11月に埼玉県三郷市で帰宅途中の女子高生を拉致し、足立区綾瀬にあるメンバーの自宅に監禁して、40日以上にわたってなぶり続けて死なせた後、遺体をコンクリート詰めにして江東区の埋立地に遺棄したというものである