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これから頑張らないと。

50代半ばから水彩画教室に通い始めて三年が経過した。休んだのは二回だけだから、自分もよく続いたものだと思う。

しかし、三年経った現在、すっかり初心を忘れてしまい、なかなか絵を描く気が起こらない。病院デイケア職員には「イップスか?」と言われたが、頑張りすぎてやる気が失せたのではなく、単に気抜けした状態だから、何とも情けない有り様だ。教室の課題もだましだまし描いていく始末だ。

そう言いながら、昨日は一週間ぶりに水彩画教室があった。とりあえず前日に少し手を加えてごまかしたような作品を持っていってしまった。20歳近く年上の先輩方が熱心に描いているのに、年下の自分が情けない有り様なので、何とも恥ずかしい。

教室が始まるとすぐに作品の講評が始まる。一つ一つの作品に先生が批評を加え、それを皆で見聞きして絵を学ぶという、美術大学でもやっているであろう方法である。

講評の中ほどで、いよいよ僕の番になったのだが、今回ばかりは先生から叱咤されるであろうと思っていたのだ。ところがである。

先生は僕の描いたひとまずの絵にOKを出した後、「これからが伸びる時期だからもっと描いて!」とか「枚数を描けば描くほどうまくなるのよ!」とおっしゃるのである。

最初は「先生はなにか勘違いされているのかな?」と思ったのだが、先生の画家としての経歴を考えるとそんなおべんちゃらを言うタイプの人柄ではない。僕に期待しているのか何なのか、年齢にしては伸びしろがあると見込んでらっしゃるようなのだ。

先生なりの発破をかけられて、しかも教室に通っている人たち全員の前で、ということになるとこれから頑張って描かざるを得ない。このままだらしないペースでやっつけ仕事をしていると恥の上塗りにしかならない。

しかも、先生なりに僕の才能ではなく下手くそな個性?を買ってくれているようなので、少なくとも見られるような絵に仕上げないといけない。最近妙に先生がほめるというか発破をかけて来るんだよね。

ということで、「そろそろ楽隠居するかー」と思っていたところが、リブートして再起動しないと行けない羽目になった。いや、そんなことより当初の計画ではコンテスト入賞や個展の開催を目指していたから、この時期に発破をかけてもらえて本当にありがたい。

今日は風景画の下描きを鉛筆画で仕上げていこうと思うのだが、描いては失敗してを繰り返しながら、自分の絵柄を掴んでいくのが先生の目的とするところらしいので、逃げずに取り組むことが肝心だろうと思う。

禅の言葉ではないが、今日一日に意識を込めて、やるべきことを続けていくという意識で、毎日の一日一日を過ごしていきたい。やれ、自分に少々スイッチが入ったようだ。一歩進めば一歩高みからの風景が見えるはず。それを目指して水彩画制作を頑張っていきたい。

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