見出し画像

司書設置拡大反対、自分も司書なのに賛成したワケ。

 学校図書館に関わる議決についてツイートされている方がいたので、ん?と思って内容をチェックしてみたんですが…

その通りじゃん

としか思わなかったですね。日本維新の会が司書設置増に反対、という内容でしたけども。つまり私も司書を増やすことに反対、ということに…なります。

 まず、疑われると困りますが私も司書ですよ。で、実務経験もある。なおかつ、私の場合は…

公共図書館・学校図書館

の両方の経験を持つ。つまり、現場を見ているという強みがあります。

 但し、全国を飛び回って職に就いていた訳ではないので…。あくまで自分のいたことのある地域の職場経験から、という但し書きを付けておきます。よって、私がいた地域との実情は違うとは思います。

 私としては、そうはいっても…

比較的小規模な自治体図書館と学校図書館

の内情を見ていますし、

大学図書館

についても、下はたいしたことがない大学(笑)から…トップクラスとされる大学図書館での勤務経験がある。人の動きや考え方など、どういう価値観や思惑で日々、図書館業務をやっているのか。そこはずっと観察していたのでよく覚えているのです。

 しかも私は、リーダーとして責任者の経験もある。そういう立場から、雇われ人=委託側として、委託する側とのやり取りの中で彼ら・彼女らの思惑や考え方も見ていた。そういう記憶と経験を前提にして、

上の反対に賛同する

という考えでいるのです。

 では、なぜ私が司書であるにも関わらず賛成するのか?を実務経験者としての視点で申し上げます。内容を見た上での私の考えは…

1 学校図書館(この場合、公立小・中・高校に限定)に司書は必要ない

2 触れられている通り、現状の仕事内容なら人の配置は不要(機械で充分)

3 そもそも、大規模校でないのなら公共図書館の利用によって経費削減すべき

4 今はITの世なので、電子書籍などを活用したネットワークシステムによる閲覧を実現する予算に投じるべき

5 その一環として、司書の現代における在り方を議論して再定義すべき

これら五大項目が私にとっての実務的な意見です。

 1については、日本維新の会(以下、維新と省略)の趣旨に賛成。司書の設置はハッキリ言って人件費の無駄です。


これは現状の仕事のやり方だと、ペーパーワーク的な色彩が濃く、維新のHPにも記載がありますが

図書の出納管理

程度になりかねないから。司書としての力量はそこにあらず。書籍の選定と利用者のニーズに伴う助言とサポート。これに加えて

教育機関との連携

といった部分が必要です。が、現状では施設管理や出納管理といった、管理人としての色彩が濃すぎる。ハッキリ言って、必要ありません。

 そもそも、司書が人員として認められうる背景が現代においてもあるのか?という根本的な議論が全然見られない。現場にいた人間としては、結果的にそこがおざなりだから、地位も向上しない。向上しないだけならともかく、地盤沈下して行ってる。そうした中で中身に変化がないまま、人を雇うなんて無駄に決まってます。

 ではどうしたらよいのか?という点は過去に書いているので


ご覧くだされば。とにかく、司書であろうが経営感覚と財務の知識は今後必要不可欠です。そこがないと、人事権も握れないし、経営という大元もつかめない。今のままでは、図書館や司書の本質を知る人物がそうした組織運営に携わることができないまま。そんな状態で、自分たちの立場が守られる訳がないでしょうに…。

 こうした視点からも、現状のやり方の中で司書を増やす・減らすをしたところで技術革新を遂げた現在の状況に全く合ってないのは明白なのです。維新が反対で来たのも、橋下さんの折に予算を削らなければならない必要性にかられた際、実地調査の上で要不要を判断したのでしょう。だから、私から見てもその根拠となるロジックにおかしなところはありません。

 とにかく私が今、言ってることは司書の設置に反対している。同じOBとして枠の拡大を阻むとは…と反感を買う事でしょうね。でも、これは私が散々現場で目先しか見ておらず、夜郎自大になっていた数多くの人たちとの葛藤の中で到達した結論なのです。こういう人たちにほぼ全員共通していたのが、

今のまま前提での好待遇

だったのだから。お金をそれだけもらえるためには?というロジックすら知らない。そういう世界なはずだから、といった感覚で自己防衛する様では、本当に利用者のために向き合ってるの?とガッカリしたモノですしね…。

 最後のはグチになりましたが(苦笑)、これまた過去に書いてますが


司書としてのポテンシャルはまだまだこんなものじゃないですよ。私が怒りをあえて感じているのは、もっとより良きことができる司書というポジションを、現状維持以下で貶めてる人たち。この人たちとは相いれないから、ひとりでいるってのもありますからね。残念。

いぢょー。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?