書評:足利義稙
現在進行中で勉強しているため、読書やリサーチで感じた人物評を書いていきます。大抵一冊の本を読んだのをきっかけにしてますので、書評と言っても良いですけど。
足利義稙、と言われて歴史知らない人は
誰?
でしょうけども室町幕府の十代目将軍ですね。かなりマイナーだと思うので知らなくても仕方ない。
今回、読んだ図書は
中世武士選書33
https://www.ebisukosyo.co.jp/item/250/
の本なんですが、とても良い書物ですね。私がこれまで色々読んだ知識をベースに新事実でもって補完してくれたので。かなりイメージができるようになりました。
私自身が通教の大学に行ったのも、こうした部分でイマイチよくわからずイメージしづらいという事があったからです。でも今回の勉強を通して、かなりしやすくなってます。
まず、義稙は
足利義満のひ孫、足利義視の息子
なんですけど応仁の乱によってオヤジに連れられて岐阜県(美濃)で生活してたんですよね。
で、銀閣寺を建てた
足利義政
が息子の義尚死去によって後継者を作らないといけなくなった。で、義視が弟なのでその息子を…となったようです。
詳しく書くとドロドロしてますが、端折って書くと
義稙、将軍に
→義政・義視など相次いで死去
→後ろ盾が居なくなり不安定化
という流れになって、最後は追い落とされてしまう。
そこからがタフな人生の始まりで、ほとんど地方で京都で将軍に復帰すべく色々頑張り続ける。現代でいうなら
首相の息子が地盤を取り戻すべく後援会に居候
し続けるようなもの。面の皮が厚くないととても無理じゃないかな。(笑)
そしてついにライバル(甥っ子)の義澄を蹴落として復帰。酸いも甘いもかみ分けたおっさん、復権!この後も自分の立場を強化すべく孤軍奮闘するんですよね…。
でも結局、義澄の息子を立てた方によってまた転落人生に…。その後は亡命先で寂しく死去しちゃうわけですが、そのうち物語のネタにされそうです。それ位、色々あるから。
とにかくその辺りの動向が資料発見による事実を織り交ぜながら記載されているため非常に興味深かったです。私にとって日本史を理解することが今の社会の先を考えるために必要なことだと考えているため、こういう新資料が詳しいと助かりますし。大変ためになる本でしたね。