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図書館のイベントのチラシ「思わず参加したくなる」キャッチコピーに変えてみた。改善例をビフォー・アフターで紹介します。

図書館には子どもの頃、よく通いました。本がずらっと並んでいて、いくらでも読める。読みたい本、知らない本がまだまだある。わくわくした気持ちを覚えています。

いまも、近くの図書館に顔を出します。図書館ではさまざまな自主イベントを開いていて、お知らせのチラシが置いてあります。絵本の読み聞かせ会や、講演会。最近は防災や起業支援のイベントなども。

職員の方が日常業務だけでも忙しい中で、精力的にイベントを開いていることに頭が下がります。だからこそ、チラシを見てもったいないと感じています。

この記事では「本の修理講座」を事例にして「キャッチコピーを工夫してみたら、図書館のイベントにもっと参加者が増えるのでは」という提案をしたいと思います。ビフォー・アフター形式で3例紹介します。

あなたが企画する図書館のイベントの広報。「参加者が増えてほしい」と、考えているなら参考にしてみてください。※この記事で紹介するキャッチコピーを使いたい場合は、連絡をいただければ無償で提供いたします。私の連絡先とプロフィールはこちらです。

この記事でお伝えすること

図書館のイベントに 
参加者が増えてほしい職員向け

【ビフォー】
本の修理講座の典型的なチラシ 
イベント名そのまま

「本の修理講座」は、ページが破れてしまったり、表紙がはげてしまったりして傷んだ本の修理方法を教えてくれる講座。
イベント告知の典型的なチラシはこちら。

本の修理講座のチラシイメージ

キャッチコピーを抜き出してみます。※「山崎市立図書館」は、事例を紹介するための架空の施設名です。
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本の修理講座
本が好きな方や本の修理に興味がある方
ぜひご参加を
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イベント名そのままです。けっして悪いわけではありません。でも「本の修理」って、わかるようでわからない。なによりも、ぱっと見たときに「あ、私に必要な講座だ」と思えないのです。

「あなたにこそ必要な講座です」と伝えるキャッチコピーに変えてみました。

【アフター1】
「あなたにこそ必要な講座です」と 
キャッチコピーで伝えてみた

本の修理講座チラシ 
キャッチコピー例(00041)

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傷んだけれど
大切にしたい本がある

本の修理の仕方を教えます
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何度も読んで傷んでしまった。でも捨てられない。ずっと大事に持っていたい。本が好きな人なら、そんな本がきっとあるはず。「傷んだけれど大切にしたい本がある」あなたにこそ必要な講座ですーと、キャッチコピーで伝えてみました。


次はもう一歩踏み込んで「宝物」としての本をキャッチコピーにしてみました。

【アフター2】
宝物のような本がある あなたに伝わる 
キャッチコピーを作ってみた

本の修理講座チラシ
キャッチコピー例(00042)

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宝物の本を
きれいに残したい

本の修理の仕方を教えます
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自分自身が読んでいた本で、古くなったけれども手放せない。あるいは、子どもや孫が繰り返し読んでいた本。子どもや孫が小さかった頃、手がかかって大変だったけれど、その分だけ思い出が詰まった本。

「宝物」みたいな本を、長持ちさせたい。傷んだ部分の修理方法を知りたい。そんなあなたのための講座ですーと伝えてみました。

次はもう少し、呼びかける対象を広げてみます。

【アフター3】
本が好きな人に呼びかける 
キャッチコピーにしてみた

本の修理講座チラシ 
キャッチコピー例(00043)

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本が好き だから大事にしたい
本の修理講座
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本の修理講座に来てくれる人は「本が好きな人」のはず。だから、その人に向かってまっすぐに、けれど最初の2つのキャッチコピーよりは対象を広げて呼びかけてみました。

ちなみに、このキャッチコピーは図書館に置くチラシよりも、他の施設、例えば体育館や市役所、駅などに置くチラシの方が効果的かもしれません。

図書館に来る人は、ほぼ「本が好きな人」のはずなので、その人たちに「本が好き だから大事にしたい(そんなあなたに来てほしい)」と呼びかけても、当たり前すぎてあまり響きません。

むしろ体育館など、本に直接関係なさそうな施設で伝えた方が「あ、(本が好きな)私に呼びかけている」と心に響いて受け止めてもらえると思います。


【まとめ】
本の修理講座のチラシ「参加してみたい」と思うキャッチコピーの作り方を紹介しました

この記事のまとめ
伝え方のコツ

今回のキャッチコピーの改善例はいずれも、「あなた」に呼びかけています。

「本の修理講座を開催しますよ」では誰に呼びかけているのかわかりません。そうではなく、この講座を必要としている「あなた」に直接呼びかけるキャッチコピーです。

世の中にチラシはあふれています。チラシ以外の情報もあふれています。自分に関係ない情報は見えていたとしても、意識に入りません。だからこそ「あなた」に呼びかけてみることを考えてみてください。

【本の修理講座を必要としている人の事例】
●傷んだけれど大切にしたい本がある人
●「宝物」にしている本がある人
●本が好きで、だから大事にしたいと思っている人


#公共図書館 #チラシ #作り方 #本の修理 #キャッチコピー #司書 #公民館


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