【読書メモ】アジャイルなプロダクトづくり
市谷さんの最新書籍「アジャイルなプロダクトづくり」を読了しましたので、感想や取り入れたいことをまとめておきます。
市谷さんの書籍は「組織を芯からアジャイルにする」「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」「これまでの仕事これからの仕事」に続く4冊目ですが、また違った作風で本作もとてもよかったです。
概要と感想
本書は、ストーリ仕立ての部分と解説部分を交互に織り交ぜるスタイルで進行し、実際の現場でどのようにプラクティスの活用していくのかを理解しやすい一冊でした。
ストーリー部分では、受託開発が中心の会社でプロダクト開発を行うチームへプロダクト開発の熟練者が入り、プロダクト開発をチームや会社に定着していくストーリーとなっております。実際の現場のあるあるが満載となっており、大きく共感しながら読み進められました。解説部分では、ストーリーに合わせて解説していくことで、過去作の内容を一段と深く理解をすることができたと思う。
続いて、本書で特に記憶に残った部分を3つあげさせていただき、明日からの仕事に活かしていければと思います。
3つの不眠問題
プロダクト開発に起こりがちな問題として、以下の3つの視点で捉えることを学ことができた。
ユーザ視点
チーム視点
プロダクト視点
ユーザ視点
とても耳の痛い話であるが、ユーザ数などの指標は確認しているが、いつからかユーザの声を聞いたり、反応を確認する機会は徐々に減っていってしまっていると再認識した。「ユーザの変化を起こせているのか?」を検証して、プロダクトの意義をもう一度考えたい。
チーム視点
チームが長く運営されてくると、ベロシティも安定し、改善も落ち着いていってしまう。良い面ももちろんあるのだが、「チームとしてどうありたいか?」を改めて再考し、挑戦をうながしていきたい。
プロダクト視点
プロダクトを1年・2年と開発していると、さまざまな技術的負債が溜まっている。初めは小さくとも放置すると何ヶ月もの期間をかけないとどうしようもなくなってしまう。過去の反省からか、この部分は一番ケアできているが、「変化させやすい状態となっているか?」は肝に銘じておきたい。
仮説キャンバスの使い方
仮説キャンバス、CPF(Customer Problem Fit)、PSF(Problem Solutioin Fit)という言葉は、知っていたが本書のストーリーと相まって、ぼんやりとしていたものがかなりクリアになった。
それぞれのツールを別々に捉えていた部分があったのだが、ユーザとのインタビューの進め方、プロトタイピングの使い方など、実践的に解説されており、是非とも試してみたいと感じた。
ユーザにエンジニアが向き合う
直接的な解説があったわけではないが、ストーリーを読んでいて実感したのは、エンジニアがユーザと関わることは改めて大事だと感じた。
少しでも油断していると、ユーザ接点はプロダクトオーナーやデザイナー等の特定メンバが実施する雰囲気になってきてしまう。
しかし、本書にあったようにチームメンバ全員がユーザの課題を理解しようとたり、解決しようとしたりした時のパワーはとても大きなものになると感じた。数名のリーダーが決めているような状態では、そのリーダーの器を超えたプロダクトは出てこないと思う。であるならば、回り道になってしまうと感じるが、ユーザとエンジニアが向き合う機会を設けようと思う。
他にも気づきはあったが、一度に全てはできないので、まずはこの3つに取り組んでみたい。
取り入れたいこと
3つの不眠問題を再検証してみる
仮設キャンバスを書き起こしてみる
開発メンバーを交えた価値検討/ユーザインタビューを行う
こんな人におすすめ
今のプロダクト開発の進め方に課題感がある方
アジャイル開発やプロダクト開発に興味がある方