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【読書メモ】CHANGE 組織はなぜかわれないのか


書籍紹介

「企業変革力」で有名なジョン・P・コッターさんの著作です。企業変革力は変革プロセスを提唱する良書でしたが、本書では脳科学の視点を踏まえて変革に取り組む際のポイントを解説しており、企業変革力の内容と合わせて実践することでより効果的に変革を推進できると感じられる一冊でした。

実践したいポイント

本書で実践したいポイントはいくつも出てきたのですが、特に実践したいポイントは以下の3つでした。

  • 繁栄チャネルを活性化させる

  • 成果の周知と宣伝

  • リーダーシップを後押しする

いずれも一筋縄ではいかない物ばかりではあるが、より実践的にできることはないか考えてみた。

繁栄チャネルを活性化させる

人間の本能による反応として、直面している脅威を解決しようとする「生存チャネル」と機会を生かそうとする「繁栄チャネル」が存在している。物事を管理するマネジメントを全面に出していくと、何かをしなければならないという意識から生存チャネルが活性化してしまう。上位への報告であったり、プロジェクトの最終局面で課題が頻発していたりする局面では、何度も経験している。一方で、ロードマップを作成したり、リリース後の効果を確認してりしている時には、繁栄チャネルが活性化され、各自がやりたい気持ちを感じながら仕事ができていると感じている。
プロダクトのリリース予定など目先のポイントはあるが、本来は組織がよりよくなるための活動としてスタートしているはずである。計画通りやることももちろん重要ではあるが、「計画に従うことよりも変化への対応」を意識を忘れずに、なぜ取り組んでいるのか、誰に使ってもらうのかといった基本的な問いかけを通して、メンバーの繁栄チャネルを継続的に刺激していこうと思う。

成果の周知と宣伝

振り返ってみると、プロジェクトや改善活動がうまくいった場合は、なかなかその成果を周知・宣伝することはなかったかもしれない。どうしても、失敗事例の共有、システム障害の再発防止の方が注目されてしまうと感じた。マネジメント視点であれば仕方ないが、これでは生存チャネルが活性化されるのは仕方ない。
小さな改善で着実に効果を出しているものをきちんと共有・宣伝して行くことで、各メンバやステークホルダの繁栄チャネルも活性化させて行くことにつながると感じた。
スクラムチーム単位であれば、ウィンセッションで共有できている部分はあるので、組織単位でうまく周知共有することを次のアクションとして考えていきたい。

リーダーシップを後押しする

海外の格言に「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.(速く進みたいなら一人で行け。遠くまで行きたいなら皆で行け。)」という言葉が思い出した。大企業であればあるほど、企業変革は一人のカリスマで実現できるものではなく、全員の力が必要であり、最終的に企業文化を変えていかなければならない。
マネジメント中心のアプローチでは、メンバーのリーダーシップは発揮しにくい。単にコストダウンなどの数値を追い求めるだけでなく、「何を目指しているのか」「顧客にどんな価値を提供するのか」といった本質的な価値を考える段階からメンバーを巻き込み、やりたい気持ちを後押しし、バックアップして行くことを意識していきたい。

こんな人におすすめ

  • 企業の変革に取り組むリーダや企業変革に関わるコンサルタント

  • 大規模アジャイル(SAFe)に取り組みたい/取り組んでいる方

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Take | 旅好きITエンジニア
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