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【日記】鏡の向こうの自分、美容室で考える仕事と創作の境界線

2024年10月17日(木)

美容室から帰ってきて、ふと思った。この1ヶ月に一度の美容室通いって、いつの間にか自分の思考を整理する大切な時間になっていたんだな、って。

髪を切りながら、仕事のこと、趣味のこと、人生のこと。普段の忙しさに埋もれがちな自分の本当の思いや、新しいアイデアが、ハサミの音とともに浮かび上がってくる。

美容師さんとの会話がきっかけで、いろんなことを考えさせられた。

カットが始まって15分ほど経った頃、いつもの美容師さんが話しかけてきた。
「最近、お仕事はどうですか?何か変わったことはありますか?」

その質問で、ふと自分の近況を話したくなった。
「実は、仕事以外でnoteでエッセイや短編小説を書き始めたんですよ」
そう答えると、美容師さんは興味深そうに「へぇ、どんな短編小説なんですか?」と尋ねてきた。
「恋愛小説です」と言った瞬間、「意外ですね」という反応が返ってきた。

確かに、普段の自分からは想像しづらいかもしれない。ソフトウェアエンジニアが恋愛小説を書いているというギャップが、美容師さんには新鮮に映ったのだろう。でも、その「意外性」こそが、自分の創作の原動力になっているような気がする。日常の中に潜む予想外の一面を描くこと。

話が進むうちに、美容師さんとの間で興味深い共通点が見えてきた。
「やっぱり僕の仕事もそうですけど、やりたいことと、お客様のニーズに応えるためにはどうすればいいのか、相手の想いをどこまで理解できるか、というのは大事ですよね」

この言葉に、強く頷いてしまった。仕事においても、創作活動においても、自分の表現したいことと相手が求めているものの間でバランスを取ることの難しさを日々感じている。ソフトウェア開発では、技術的に面白いソリューションと、ユーザーにとって本当に必要な機能のバランスを常に考えている。それは美容師さんにとっての「自分の美的感覚」と「お客様の要望」のバランスに似ているのかもしれない。そして、趣味の創作活動でも同じような葛藤がある。
エンジニアと美容師、一見かけ離れた職業のようで、根底にある考え方は意外と似ているのかもしれない。

さらに興味深かったのは、美容師さんの「天邪鬼」な一面だ。
「周りがこうしたらいいと言ってるのを聞くと、逆をやりたくなるんですよね」
この言葉に、妙に共感してしまった。自分も「逆張り」とまではいかないが、既存のものとは違う何かを生み出したいという欲求がある。それは、新しい価値を世の中に届けたいという思いからかもしれない。ソフトウェア業界でも、常識を覆すような革新的なアイデアが世界を変えてきた。

noteの話題になった時、無料で記事を公開していることを伝えた。お金を稼ぐことは確かに大切だが、それ以上に読者に真の価値を届けることが重要だと考えている。美容師さんも同じような考えを持っていて、「お客さんにとって本当に喜んでくれたり、価値があることができたら、結果は後からついてくる」と語ってくれた。

美容師さんと自分は、一見するとまったく違う仕事をしているように見える。でも、美しさや機能性を追求し、他者に喜びや便利さを与えたいという根本的な部分で、どこか通じ合うものがあるのだ。

この月に一度の貴重な時間を大切にしたい。髪型と共に、自分の考えも整える。エンジニアリングと美容の世界、そして創作活動。一見異なる分野だけど、その境界線上で、自分にしか作れないものをお互い追求していきましょう。

そんなことを考えながら、新しい髪型で明日から頑張ろうと思った、木曜の夜。

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